投資の神様バフェット 莫大な現金を米国債で保有か



今回は少しタイムリーなお話です。

米投資会社バークシャー・ハサウェイの最高経営責任者(CEO)で投資の神様ウォーレン・バフェットが、この1月10日(現地時間)にCNBCのインタビューに答えた内容がバロンズの記事になっていました。

この中でバークシャーの現在のキャッシュ・ポジションについて興味深いことを話しており、それによるとバークシャーが保有していた現預金は、米国債で保有しており、その額は約1,000億ドル(約11兆円)にもなるとのことです。

昨年8月のブルームバーグの記事によると、バークシャーの手元現金(米国債含む)も約1,000億ドル程度(約997億ドル)とのことで、手元現金の多くをその後、米国債に振り向けていることが推定されます。

 【バークシャーの手元現金の推移】※米国債含む
 (出所)ブルームバーグ

なお、直近の2017年Q3(7~9月期)のバークシャーの資料を確認すると、米国債を含む手元現金は1000億ドルを超えて、約1,093億ドルとなっており、前期(Q2)よりもさらに約96億ドル増となっています。

【バークシャー・ハサウェイ 決算資料】 2017年Q3(7~9月期)(抜粋)

短期米国債の利回りをみると、FRBの利上げの影響もあり、2016年以降、利回りがじりじりと上昇しております。2018年1月5日時点で1カ月物は1.28%、3カ月物は1.41%、6カ月物は1.60%となっています。

【米国債 1か月物、3か月物、6か月物の金利の推移】
(出所)FRED

以前から利息の付かない現金の振り向け先に苦慮していたバフェットが、このタイミングで利回りが回復ししてきた米国債の保有に舵を切ったとすれば、相対的に米国株の魅力が低下(あるいは割高である)していることに他なりません。まだしばらくは、米国株市場の調整などはないかもしれませんが、いずれにしても、バフェットが失敗することはめったにありませんから、次回のバークシャーの決算書でキャッシュ・ポジションがどのように動いているのか非常に興味深いところです。


【記事】バロンズ「Warren Buffett Wants a Five-Year Put on Bitcoin」
https://www.barrons.com/articles/warren-buffett-wants-a-five-year-put-on-bitcoin-1515597388
※ビットコイン関連の話の後に、キャッシュ・ポジションの話をしています。

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