2017年のバークシャー・ハサウェイの現金等比率はリーマン・ショック後の最高値を更新



まとめ

・短期国債の保有額は約844億ドル(約8.9兆円)で前年よりも約260億ドル(約2.8兆円)の増加

・2017年12月末時点のバークシャー・ハサウェイの現金等比率は16.52%でリーマン・ショック後の最高値を更新

・短期国債を含んだ現金等比率はリーマンショック直前の比率にほぼ並ぶ

・まだしばらくは調整相場が続くと見る方がよいかもしれない。


こんばんは、Yukinosukeです。

今回は、この2月に発表されたバークシャー・ハサウェイ(BERKSHIRE HATHAWAY INC.)の2017年アニュアルレポートよりバークシャーの短期国債の保有額と現金等比率を確認したいと思います。

◆短期国債の保有額は約844億ドル(約8.9兆円)で前年よりも約260億ドル(約2.8兆円)の増加

リーマンショック後につみあがった手元現金の振り向け先に苦慮していたバフェットですが、2016年以降、その向け先を米国短期国債にしていることが鮮明となっています。

また、2017年は近年まれにみる強気相場だったこともあり、どの株式もバフェットの目には割高に映った影響もあるかもしれません。

なお、年次報告内のバランスシートに短期国債が独立して記載されたのは2015年以降の報告からとなっており、それ以前は現金等に含まれて標記されております。


・現金等と短期国債額(2015年~2017年)

(出所)バークシャー・ハサウェイ「年次報告」より作成


◆2017年12月末時点のバークシャー・ハサウェイの現金等比率は16.52%でリーマンショック後の最高値を更新

上記の現金等と短期国債をバークシャーの総資産に占める割合で示したのが下の図です。
直近、2017年では短期国債額は約12.0%、現金等が約4.5%で計約16.5%となっています。

特に、ここのところの短期国債割合の急上昇には注目で、2015年にほとんどなかった短期国債が、2017年には約12%にも増加しています。

魅力的で割安な投資先が昨年末時点の株式にはなかったこともあるかもしれませんが、株価が適正な価格に下がるにはまだもう少し時間がかかるとみていることも背景にあるのではないかと推測できます。

また、総資産に占める現金等(短期国債含む)割合の推移をみると、リーマンショック直前2007年時点の割合が約16%なので、直近2017年はほぼその水準に並んだことになります。

・総資産に占める現金等と短期国債額の割合(2015年~2017年)
(出所)バークシャー・ハサウェイ「年次報告」より作成


・総資産に占める現金等(短期国債含む)割合の推移(1995年~2017年)
(出所)バークシャー・ハサウェイ「年次報告」より作成


◆最後に

未来のマーケットは誰にも予測できませんが、バフェットが間違えることはあまりないことを考えると、ここのところの株価の調整はまだしばらくは続くと思っていおいた方がいいのかもしれません。

参考記事:

投資の神様バフェット 莫大な現金を米国債で保有か

米ドル建てMMFの利回りがじりじり上昇中


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