加熱式タバコへの移行の流れは止まらない




こんばんは、Yukinosukeです。

今回は、加熱式タバコについて厚生労働省のよくまとまった資料を見つけたのでそのご紹介です。

ここのところの、IQOS(アイコス)やglo(グロー)、Ploom TECH(プルーム・テック) などの加熱式タバコを吸っている人を周りでほんとによく見かけるようになりました。

私は喫煙者ではないのでタバコのことはあまり知りません。
ただ、米国株に投資する者としては、紙タバコの減少とは反対に、フィリップ・モリス(PM)やブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)、JTが発売しているこれら加熱式タバコが世界中で、ここのところ絶好調であり、今後の成長の柱に見込まれていることはよく知っています。

しかしながら、これらは登場してまだ日が浅いせいか、加熱式タバコの第三者機関による科学的データは少なく、ニコチン含有量などの基本的なデータですら、あまり公にはなっていないように感じます。

タバコ銘柄にとっての宿命かもれしれませんが、健康被害や依存性などによる訴訟リスクは避けられない問題だと思います。
例えば、昨年夏にあったFDAのニコチン規制提言により、株価が瞬時に急落したことは記憶に新しいと思います。

そのため加熱式タバコが実際にはどの程度の依存性があるのか、あるいは、喫煙者にどの程度の健康被害があるのかは、個人的に非常に興味があります。

前置きが長くなりましたが以下、厚生労働省の資料より引用です。

【引用】
・受動喫煙対策(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000189195.html


○加熱式たばことは

・ たばこ葉やたばこ葉を用いた加工品を燃焼させず、専用機器を用いて電気で加熱することで煙を発生させるもの。 加熱の方法や温度などは製品ごとに異なる。
・ 日本国内では、平成26年より順次発売が開始されている。
・ 副流煙はほとんど発生しない。

○加熱式たばこ機器の特徴

資料に掲載された専用機器の外観より推測すると、以下のことが分かります。
・加熱温度は、IQOS(約350度) > glo(約240度) > Ploom tech(約30度) の順になっています。
・いずれも紙たばこの燃焼温度(700度~900度)よりも低いです。
・Ploom tech は、他の2製品とは方式が異なり、専用液を加熱し発生した煙を、さらにカプセルに通すという方法のようで、加熱温度は約30度ととても低い温度となっています。(約30度だとお風呂の温度よりも低いですね。)

○主流煙に含まれるニコチン濃度・主流煙中の発がん性物質の一例

・ニコチン濃度については、どの製品かは伏せられていますが、紙たばこと同程度の製品も加熱式タバコにはあることがわかります。
・発がん性物質については、全般的に紙たばこよりも減少していることがわかります。一番高いホルムアルデヒトでも、紙たばこの25%程度に低減されています。
これは余談ですが、ホルムアルデヒトの水溶液は、ホルマリンとして知られており、標本保存等に使用されているあのホルマリンのことです。なお、ホルムアルデヒトは安価で製造できるので、接着剤や防腐剤など広く使われております。


○室内でのニコチン濃度

・主流煙のニコチン濃度は紙たばこと同程度のものもあることが分かりましたが、副流煙では、紙たばこと比較するとほとんど含まれていないことがわかります。

(出所)受動喫煙対策(厚生労働省) ・加熱式たばことは
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000189195.html


まとめ

今回の資料により加熱式タバコをデータでみると、
・紙タバコと同程度のニコチンを含む製品もある。
・発がん性物質は紙タバコと比べて少ないが、ある程度は含まれている。
・副流煙に含まれるニコチンは紙たばこよりかなり低い。
・加熱式たばこについては、まだ十分なデータがないため健康への影響は現時点では不明である。

といったところでしょうか。
ニコチン含有料が紙たばこと同程度で、発がん性物質が少ないということは、依存性はそのままで健康被害が少ない(訴訟リスク減)ということですから、タバコ企業にとってはとてもいい製品ということになります。

なお、加熱式たばこは紙たばこよりも発がん性物質が低減されていることはまぎれもない事実なので、加熱式たばこ特有の何か健康への問題がない限りは、紙たばこユーザの大部分は、加熱式たばこに今後も引き続き移行していくことが想定されます。

(※3月18日:一部編集・追記)

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