【書評】MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法




こんばんは、 Yukinosukeです。

今回は以前から気になっていた 広瀬隆雄さん著の「MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法」です。

2013年12月発行と少し古いですが、内容としては著者の豊富な経験に裏打ちされた投資の考え方、決算の見方、企業の評価などが惜しみなく語られており、投資の第一線で実際に活躍している方でないとここまでは書けない本だと思います。

なお、紹介されているのはいずれも投資の基本的、普遍的なスタンスであることが多く、奇をてらうようなテクニカルな分析方法などはほとんどありません。
そのため、米国株向けに書かれていますが、日本株でも十分に通用するものだと思います。

今回はその中から個人的に参考になったポイントをまとめておきたいと思います。(あくまで個人的です。)


「営業キャッシュフロー  > 純利益
もしこうでないなら粉飾リスクがあり投資対象としてはダメ。」

これはよくよく考えると自然な考えなのですが、それ故に非常に重要な点だと思いました。私も個別銘柄に投資する際は忘れないようにしたいです。


「期末に駆け込みで数字を作った企業の四半期決算は売掛金が多く残る。」

無理して売上をあげてもすぐには支払われないので、その分、売掛金が多く残ります。PL(損益計算書)でつく嘘がBS(貸借対照表)で見抜けることがあるということで、これもまた重要なポイントだと思いました。

「良い決算の条件:EPS、売上高、ガイダンスがコンセンサスを上回ること。」

なかなか厳しい条件ですが、この3つが揃わないとダメということで、シンプルですがなるほどと感心させられます。


「ワイドモート銘柄の条件」

  • 事業規模がバカでかい
  • 市場占有率が圧倒的
  • 構造的競争優位性 低コストでの販売が可能
  • 圧倒的な無形資産、ブランド
  • ネットワーク効果
  • ユーザーや顧客の乗り換えコストが大きい
  • 経営者が資本破壊的投資をしない

最後の資本破壊的投資とは、例えば、奢った本社ビルを建てるなどの行為を指します。これは、バフェットがよく言っていることと同じですね。かつて、コカコーラがエビの養殖事業に進出したことなどもこの典型だと思います。


「投資プロセスなくして長期投資家を語るなかれ。」

しっかりと自分の投資ルール、尺度に基づき、投資、運用することがとても大切で、ルールのない「なんちゃって長期投資家」になってはダメということです。


「心の葛藤なく買った株は、大損することが多い。」

特に調べもせずにノリで買った株は、たまたま上手くいく場合もありますが、最終的には失敗する場合が多いのは私も共感しました。特に、「今回の相場は違う」という言葉には要注意という点にはさらに納得させられました。


最後に

上記は本の内容のごくごく一部で、もっとたくさんのアイデアが著書には記されています。
なお、米国株投資を始める方はまずこれを読んでおけば間違いないと思いますし、私ももっと早くにこれを読んでいれば、よかったなと後悔してしまう内容です。
また、非常に人気のある本なので、昨今の投資ブームを受けて、個人的には改訂版が出る可能性もあるのではないかと思っています。




コメント