こんばんは、Yukinosukeです。
今回は、この2月16日に連合が公表した「AI(人工知能)が職場にもたらす影響に関する調査」から人工知能の雇用への影響について、簡単に見てみたいと思います。
この調査結果はいろいろな新聞記事やネットニュースにもなっていたので、ご存じの方も多いかと思いますが、全国の20歳以上の働く男女1,000名にアンケートした結果を公表したものです。
今回はこのアンケート結果の中から、特に気になった設問を3つほどピックアップしてみます。
①「今後、自分の職場でAIの導入・活用が進んだ場合、職場で働く人数はどうなると思うか。」
(出所)連合「AI(人工知能)が職場にもたらす影響に関する調査」よりトップが「公務」となっているのは少し謎ですが、次に来るのが「金融・保険」なのは、納得です。
最近ではメガバンクのみずほ銀行が従業員を約3分の1に削減することなどもニュースになっていましたし、証券大手の野村證券もAIによる業務効率化で新規採用を抑制するというニュースも出ています。
「情報通信業」も「金融・保険」と同様にAIとの親和性が非常に高いので、AIによる雇用の減は避けられないと思います。
また、「運輸業」は、アベノミクスによる景気回復もあり、慢性的な雇用者不足がAI活用の背景にあると思われます。
※例えば、有効求人倍率でみると「運輸業」は産業全体の平均よりも高い傾向にあります。
②「今後、自分の職場でAIの導入・活用が進んだ場合、自分の賃金はどうなると思うか。」
(出所)連合「AI(人工知能)が職場にもたらす影響に関する調査」より特に、①でAIにより雇用者数が減少すると回答していた産業でも、賃金にはそれほど影響を受けないと考えているようです。
実際はどうかわかりませんが、AIが登場しても、自分の雇用が続く限りは賃金はそれほど増えもしないが伸びもせずで変わらないという感じかもしれません。
③「自分の職場でAIの導入・活用が進み、自分の仕事に影響がでるのはいつ頃だと思うか。」
(出所)連合「AI(人工知能)が職場にもたらす影響に関する調査」より次に、「建設業(9.8%)」が来ていて、これには少し驚きました。
調べてみると、「建設業」も「運輸業」と同様に慢性的な人手不足、なり手不足が続いており、その影響もあってか工事や建築の進捗管理、専門的知識が必要な現場作業などを代表にAIがすでに試験投入されているケースも多いようです。
まとめ
今回のアンケート結果をみると、「金融・保険業」はニュースなどで報道されているとおりAIによる雇用減が既に始まっていることがわかります。また、人材不足が深刻な「運輸業」や「建設業」などは、もともとの雇用不足分をAIで埋め合わせるべくAIの導入が進展することが想像できます。
少子高齢化が進む日本では、今後、社会保障費が増加し、賃金が上昇しても、可処分所得は増加しない(あるいは、減少する)という避けられない構造上の問題があります。
AIの登場でこの構造的な問題がどうなるかはまだ分かりませんが、第四次産業革命のキーワードである、IOT、ビッグ・データ、AIについては、IBM(ワトソン)やグーグル(ディープマインド)等の米国企業が世界の覇権を握るべく開発にしのぎをけずっております。
この勝者がどの企業になるのかは現時点では誰にも分かりませんが、いずれにしても、ふたを開けてみれば米国企業で世界シェアが独占されていることは、まず間違いないと思われます。
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