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こんばんは、Yukinosuke(@yukinosuke35)です。
今回は、バフェット指数(Buffett Indicator)について、以前から少し気になる点があったのでそのあたりについて、簡単にまとめてみました。
式で書くと次のようになります。
一般に、バフェット指数が100%を超えると割高、100%以下だと割安と考えます。
現在の米国のバフェット指数は147.5%で、チャートは以下のようになっています。
参考までに、リーマンショック時、ドットコムバブル時のおおよそのピークもそれぞれ載せています。
データ元はいずれも gurufocus.com からです。
そして、その原因の一つが、バフェット指数の分母に使われているのが、GNPでなくGDPを使っているせいではないのかという点です。
なぜなら、GDPはあくまで米国域内だけの付加価値総額であるため、貿易や海外支所などの付加価値については、計算の対象外だからで、米国にはグローバルな優良企業がごろごろいますから、GNPでないとダメではないかということです。
※GDPとGNPの違いは以下のリンク先が詳しいです。
「GDPとGNI(GNP)の違いについて」(内閣府)
しかしながら、調べてみると、米国の場合、GDPもGNPもほとんど変わらない金額のようで、GDPをつかっても大した問題ではないようです。(gurufocusにもその旨記載がありました。)
結果としては、GDPでもGNPでもどちらを使っても問題ないことが確認できました。
なお、バフェット指数については、ここのところ、ずっと100%を超えて140%程度にまで上昇していますので、これだけをみると割高でいつ暴落してもおかしくないということになりますが、他の指標をみると、まだ暴落の気配はそれほど感じませんので、いずれの指標も総合的に見ることが重要だということだと思います。
その他、バフェット指数については、ドットコムバブルのピーク時(145.1%)とリーマンショックのピーク時(110.1%)のバフェット指数に大きなかい離があるなど、恐らくGDP(GNP)を使っているせいでかなり癖のある指数のように感じますので、その辺りについてもまた記事にしたいと思います。
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ポイント
- 米国の場合、バフェット指数のGDPをGNPに変えても概ね同じ値になる。
- バフェット指数は、GDPを元に計算されるので、かなり癖のある指数と感じる。
- バフェット指数は暴落のシグナルにはやや不向きか。
こんばんは、Yukinosuke(@yukinosuke35)です。
今回は、バフェット指数(Buffett Indicator)について、以前から少し気になる点があったのでそのあたりについて、簡単にまとめてみました。
◆バフェット指数とは
バフェット指数とは、マーケットの割高・割安を示す指数で、マーケットの株式時価総額を名目GDP(国内総生産)で割って計算されるとてもシンプルな指数です。式で書くと次のようになります。
バフェット指数 = 株式時価総額 ÷ 名目GDP
米国の場合の株式時価総額には「ウィルシャー5000(Wilshire Total Market)」が使われます。一般に、バフェット指数が100%を超えると割高、100%以下だと割安と考えます。
現在の米国のバフェット指数は147.5%で、チャートは以下のようになっています。
参考までに、リーマンショック時、ドットコムバブル時のおおよそのピークもそれぞれ載せています。
データ元はいずれも gurufocus.com からです。
■現在(147.5%)
■リーマンショック時(110.1%)
■ドットコムバブル時(145.1%)
◆GDPとGNPどちらがベターなのか?
私が気になっていた点は、バフェット指数は100%を超え、いつ暴落してもおかしくないレベルだと、もうかれこれ5年近く言われ続けているので、暴落のシグナルとしては、実際のところあまり意味がない(使えない)のではないかということです。そして、その原因の一つが、バフェット指数の分母に使われているのが、GNPでなくGDPを使っているせいではないのかという点です。
なぜなら、GDPはあくまで米国域内だけの付加価値総額であるため、貿易や海外支所などの付加価値については、計算の対象外だからで、米国にはグローバルな優良企業がごろごろいますから、GNPでないとダメではないかということです。
※GDPとGNPの違いは以下のリンク先が詳しいです。
「GDPとGNI(GNP)の違いについて」(内閣府)
■GDPとGNPの推移
(出所)FRED | St. Louis Fed
確かにチャートでみると、わずかにGDPの方がGNPよりも少ないですが、ほどんど金額は変わりませんね。(その差は1%程度でしょうか。)
ということで、結果としては、GDPを使おうがGNPを使おうが、バフェット指数はほとんど変わらないことが分かりました。
◆まとめ
今回はバフェット指数について、個人的に疑問に思っていた点を確認しました。結果としては、GDPでもGNPでもどちらを使っても問題ないことが確認できました。
なお、バフェット指数については、ここのところ、ずっと100%を超えて140%程度にまで上昇していますので、これだけをみると割高でいつ暴落してもおかしくないということになりますが、他の指標をみると、まだ暴落の気配はそれほど感じませんので、いずれの指標も総合的に見ることが重要だということだと思います。
その他、バフェット指数については、ドットコムバブルのピーク時(145.1%)とリーマンショックのピーク時(110.1%)のバフェット指数に大きなかい離があるなど、恐らくGDP(GNP)を使っているせいでかなり癖のある指数のように感じますので、その辺りについてもまた記事にしたいと思います。
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