【書評】私の財産告白|金儲けを甘くみてはいけない

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こんばんは、Yukinosuke(@yukinosuke35)です。

今回は、これまで引用はしていましたが、きちんと取り上げてこなかった「私の財産告白」(本多静六著/実業之日本社)から私の好きな一節をご紹介したいと思います。

まず、著者である本多静六翁についてですが、貧しい生い立ちから苦学のすえ東大教授まで出世した方で、勤倹貯蓄、株式投資等により莫大な財を成しました。

なお、これは余談ですが、あまり一般的な知名度のある方ではありませんが、その人生訓や蓄財の考え方は、現在でも通用する部分が多く、個人的には今後もっと評価されるのではないかと考えています。

前置きはこのぐらいにして、以下一節のご紹介です。

◆散る花を追うことなかれ、出づる月を待つべし

「散る花を追うことなかれ、出づる月を待つべし。くれぐれも過ぎ去った失敗にこだわらぬこと。」
文中では、事業に失敗した青年実業家から相談された本多翁が、この一節をして青年実業家には、実際のところまだまだチャンスがあることを気づかせ、その考えの浅はかさを諭しています。
誰しも、一部分の失敗や損失があたかも全ての失敗であるようにとらえがちな傾向がありますが、決してそうではありませんし、そう考えてはいけないことを教えてくれます。

私も仕事やプライベートなとで失敗したときに後々引きずらないよう、この一節はいつも忘れないようにしています。

◆何事も一仕事終えたら綺麗さっぱり忘れること

「何事も一仕事終えたら綺麗さっぱり忘れること。少なくとも忘れるように気分転換に努めること。」

特定の物事一本に打ち込むことはとても大切ですが、あまりに執着しすぎると、判断力が鈍るうえ、考えも偏り、とんだ妄想に陥り、仕事の能率も著しく低下するということです。
そのため、仕事がひと段落したら、リフレッシュ&気分転換することを意識的、或いは、強制的にしないと、その後の仕事の効率、パフォーマンスは上がりませんし、それでどころか元のレベルにも戻りません。

このことは、特に仕事をされている方は経験上、納得できる点かと思います。
自身のパフォーマンスを長期的に維持するうえで忘れてはいけない重要なポイントだと思います。

この本が書かれた当時と現在とでは仕事や生活のスタイルは大きく異なるかとは思いますが、気分転換を定期的にすることの必要性や重要性は、昔も今もあまり変わらないのだと感じます。(むしろ情報の溢れる現代の方が気分転換がより必要だと感じますね。)

◆金儲けを甘くみてはいけない

「金儲けを甘くみてはいけない。真の金儲けはただ、徐々に、堅実に、急がす、休まず、自己の本業本職を守って努力を積み重ねていくほか、別にこれぞという名策名案はないのであって、手っ取り早く成功せんとするものは、また手っ取り早く失敗してしまう。」

米国株ブログ村でもよく聞かれる一節ですが、W.バフェットではなく、すでに明治時代にこのような考えの方が日本におられ、また、莫大な財産を築いたという事実に、個人的にはこみ上げるものがあります。

投資も金儲けですから、まさしくこの考えがぴったりと当てはまるのではないでしょうか。

急がす、休まず、堅実に、淡々と投資額を積み上げていく。
手っ取り早くお金持ちになろうとすると、また手っ取り早くお金を失ってしまうリスクも大である。

なお、個人的には「本業本職を守って」という点も、好きなフレーズですね。
iDeCoやつみたてNISAで運用されている方の大部分は、兼業投資家でしょうから、本業本職を守って投資を行うということは、是非忘れないようしたい点だと思います。

◆まとめ

今回は、本多翁の著書「私の財産告白」(本多静六著/実業之日本社)から私の好きな一節をご紹介しました。

人生七転び八起きですから、失敗を引きずらず、次に生かしていくという考え方、そして、定期的にリフレッシュ・気分転換をすることが自身のパフォーマンス維持に欠かせないということは今にも通じるものだと思います。

先日ご紹介しました「となりの億万長者 ― 成功を生む7つの法則〔新版〕」(トマス・J・スタンリー著、ウィリアム・D・ダンコ著、斎藤聖美訳/早川書房)に登場する多くの億万長者とも共通する点が多く、時代や場所を超えても財を成す方の考え方には、普遍的なものがあると改めて考えさせられます。

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