セルフメディケーション税制ではインフルエンザ予防接種の所得控除はできませんというお話

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ポイント

  • セルフメディケーション税制でインフルエンザ予防接種料が所得控除できるわけではない。
  • インフルエンザ予防接種は、「健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組」の要件には該当する。
  • セルフメディケーション税制における所得控除の対象は、(一定の取組を満たした場合における)スイッチOTC医薬品の購入費用である。

こんばんは、Yukinosuke(@yukinosuke35)です。

今回は、昨年(平成29年確定申告)から始まったセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について、私自身あまり分かっていなかったので、簡単にまとめてみました。

◆医療費控除とは

まず、医療費控除とは、単純には1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合に、その超えた部分(年間所得が200万円未満の人は、10万円ではなくて年間所得の5%)について、所得控除できるというものです。

対象となる医療費には様々ありますが、今回考えるインフルエンザの予防接種料はこの対象外となっています。

(参考)No.1122 医療費控除の対象となる医療費(国税庁)

◆セルフメディケーション制度とは

次に、セルフメディケーション税制とは、ざっくりいうと「健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組」(※1)を行っている場合に、スイッチOTC医薬品(※2)の購入費について、1.2万円を超える部分(上限8.8万円まで)を所得控除できるというものです。

※1:特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診査、がん検診
※2:要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品

例えば、課税所得400万円で、対象となる医薬品を2万円購入した場合、8千円(=2万円-1.2万円)が所得から控除され、所得税1,600円、個人住民税800円の減税効果があります。

(出所)厚生労働省「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について」より抜粋

◆インフルエンザの予防接種料はバカにならない

インフルエンザの予防接種料は、世帯全体でみるとそれなりの金額になります。

高齢者については、自治体からの補助もあるようですが、子どもがいる世帯の場合で、特に12歳以下のお子さんがいる場合は、接種回数が2回ということもあり、費用もかさみます。

例えば、予防接種料金が1回3000円として、4人家族(12歳以下の子ども2人)の場合、世帯全体で18,000円もワンシーズンにかかる計算です。

それなりの額ではないでしょうか。

◆インフルエンザの予防接種料はセルフメディケーション税制の対象なのか?

結論から言うと、インフルエンザの予防接種料はセルフメディケーション税制の「所得控除」対象ではありません。

ただし、「所得控除」対象ではありませんが、「健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組」の要件には該当します。

ここがポイントですね。

順を追わずに一足飛びに読んでしまうと、あたかもインフルエンザ予防接種料がセルフメディケーション税制で所得控除できるかのように誤解してしまいますので注意が必要です。(恥ずかしながら、私もそういう理解でいました。。)

国の資料をきちんと確認していなかった私が悪いのですが、ちょっとややこしいですね。

◆まとめ

今回はセルフメディケーション税制において、インフルエンザ予防接種料は、「一定の取組」の要件には該当するものの、それ自体が所得控除対象となるわけではないことを確認しました。

セルフメディケーション税制は、健康の維持増進及び疾病の予防のために創設された制度ということで、取組み自体はとてもよいものだと感じますが、今のところ複雑な割には微妙な制度という感じが個人的にはちょっとしています。

今後、インフルエンザの予防接種料まで所得控除に踏み込んでもらえると、ありがたいですね。

ご一読くださりありがとうございました。

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