W.バフェットがジョンソン・エンド・ジョンソンを見限った理由を考える



こんばんは、Yukinosuke(@yukinosuke35)です。

今回は、先週に続きジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)を取り上げます。

ご存じのとおりバフェット銘柄であるJNJ。
実は、バフェットが過去に大量にJNJを保有し、その後、同じく大量に売却したということを、私自身あまり知らなかったので少し調べてみることにしました。

ということで、まずはバークシャーのJNJの過去の持ち株数を確認したいと思います。

◆バークシャーのJNJの持ち株数の推移

データはSECのフォーム13Fから。時点は各年の12月31日です。

2006年に初めてJNJが登場し、翌年の2007年には何と約6100万株(JNJ株の約2%)も大量保有しています。
その後、リーマンショックなどの影響か、2008年、2009年には一旦保有量は減少。ただ、2010年には再度増加に。
しかし、2011年には大きく保有量を減らし、2012年にはほぼ売却し切っているようです。

(出所)フォーム13Fより作成

こうしてみると、結構なアップダウンがあり、意外な印象を受けますね。
バフェットというと、頻繁に売買しない(永久保有)イメージがあるのですが、JNJについては、この限りではないということでしょうか。

2008年~2009年の一時的な保有量減少についてネットで調べてみると、リーマンショックの影響で他に魅力的な割安株があり、そちらの購入資金のためにJNJを売却したとのことのようです。JNJ自体に魅力がなくなったという訳ではまだないようです。

2011年~2012年の売却は、鎮痛解熱剤「タイレノール」などの大規模リコールや関連する訴訟、医薬部門への業務の偏りなどで、JNJの経営自体に疑義を持ったことが報道されており、どうやらこれらにより見限られたようです。
(参考)「米J&J株売却を検討する可能性─バフェット氏=CNBC


では、次にJNJの部門別の売上高について見てみたいと思います。

◆JNJの部門別の売上高の推移

データは同じくSECのフォーム10Kからです。

部門別の売上高は、2017年では医薬品(Pharmaceutical)、医療機器(Medical Devices)、一般消費者向け(Consumer)の順になっています。
20010年~2012年は医療機器(Medical Devices)がトップで、医薬品(Pharmaceutical)、一般消費者向け(Consumer)と続いています。

やはり、医薬品の伸びがとても目立ちますね。逆に、一般消費者向けはここのところ横ばいが続いています。

成長率でみると医薬品部門は目を見張る素晴らしさではないでしょうか。
その結果、医薬品部門の構成比は高いシェアになってきていますね。

部門別にみると、医薬品の伸びがとても大きく、3部門バランスのとれた成長とは言い難い結果となっています。
また、それぞれの部門間でよい相互作用があるのかというのも、データを見る限りあまり感じられませんね。
そういえば、医薬品以外の部門をスピンオフさせる方がJNJにはよいとよく言われていますが、なんとなくわかるような気がします。

今後の成長を考えると、このあたりをどのように見るのか、難しところではないでしょうか。







(出所)フォーム10Kより作成

◆まとめ

今回はJNJについて、バフェットが見限った理由を簡単にですが取り上げてみました。

医薬品へのウェイトが非常に大きくなりつつあることが、今後のJNJにとって吉と出るのか凶と出るのか、是非注目していきたいと思います。

ご一読くださりありがとうございました。

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