(Photo by Julius Silver from Pexels)
こんばんは、Yukinosuke(@yukinosuke35)です。
今回は、米中貿易戦争について、ざっくりですが数字でみようと思います。
当初は、トランプ大統領の口先だけのパフォーマンスかと思っておりましたが、時間が経つにすれて国の命運を懸けた一大貿易戦争だということが徐々に明らかになってきております。
昨年4月の記事では、トランプ大統領のプロレスの可能性大と書きましたが、残念ながら外れてしまったようです。
さて、前置きはこのぐらいにして、まずは米国と中国の輸出入金額を見てみようと思います。
輸入総額は2兆3419億ドルで、国別では中国が第1位の5055億ドル(全体の22%)となっており、メキシコ、カナダ、日本、ドイツと続きます。
次は、輸出金額です。
輸出総額は1兆5463億ドルで、国別では第1位がカナダ、次にメキシコ、第3位に中国の1299億ドル(全体の8%)となっています。
数字でみると、米国の対中輸入額は輸出の約4倍もあるので、不均衡だといわれるとそのとおりにも読み取れますね。
次に、中国側の数字も見てみようと思います。
輸入総額は1兆8409億ドルで、国別では第1位が韓国、次に日本、台湾と続き、第4位に米国の1539億ドル(全体の8%)となっています。
輸出金額です。
輸出総額は2兆2635億ドルで、国別では第1位が米国の4297億ドル(全体の19%)となっており、次に、香港、日本、韓国、ドイツと続いています。
米国側の輸入額で1位が中国(5055億ドル)だったのと同様に、中国の輸出額の第1位も米国(4297億ドル)となっています。
なお、それぞれの数字に結構な開きがあるので、個人的には中国側の公表金額がやや過小なのかなと思っています。
※輸出側につていも、同様に開きがあり、中国側の過小評価なのかもしれません。
(参考)ジェトロの資料データです。
では、昨年から始まった貿易戦争についても見てみたいと思います。
第2弾までは既に発動済みで、現時点では第2弾の税率(25%への引き上げ)と第3弾の追加関税(対中輸入品のほぼすべてに関税)について、米中双方で協議中となっています。
【第1弾】2018年6月 中国製品1300品目に25%の関税(500億ドル)
→ [中国]500億ドルの報復措置
【第2弾】2018年9月 中国製品6000品目に10%の関税(2000億ドル)
→ [中国]600億ドルの報復措置
※2019年1月に税率25%に引き上げ?
【第3弾】2019年X月 (検討中)追加関税(2670億ドル)
一方、中国側のインパクトを見ると、米国側の輸入金額と比べて規模が小さく、かなり弱い印象ですね。仮にすべての輸入品に報復関税が賦課されても1540億ドルしかありません。
この辺りを見ても、今回の貿易戦争では米国が圧倒的に有利であることがわ分かりますね。関税戦争になっても、そもそも規模が違うので勝負にならないと感じる所以だと思います。
ただ、今回の貿易戦争は、その背景に今後の国の命運運をかけた覇権戦争という様相があるため、中国がすんなり引き下がるとも思えません。
また、つい先日あったアップルショックからもわかるように、すでに米国企業の業績に貿易戦争の影響が出始めていることを考えると、米国側も第3弾までの発動に踏み切るのか定かではないのでしょうか。
互いの命運を懸けた覇権戦争の様相を呈しており、すでに短期間で解決するとは思えない状況となっております。
また長期化に伴い、アップル以外の中国関連の米国企業にも今後深刻な影響が出ることが予想されますので、引き続き注意深く見てきたいと思います。
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ポイント
- 米中貿易戦争は互いの命運を懸けた覇権戦争の様相を呈しており、すでに短期的に解決するとは思えない状況に突入か。
- 輸出入金額ベースでみると米国側が圧倒的有利だが、中国側もすんなり引き下がる気配はない
- 貿易戦争長期化に伴いアップルを始めとする中国関連米国企業は今後深刻な影響が予想される
こんばんは、Yukinosuke(@yukinosuke35)です。
今回は、米中貿易戦争について、ざっくりですが数字でみようと思います。
当初は、トランプ大統領の口先だけのパフォーマンスかと思っておりましたが、時間が経つにすれて国の命運を懸けた一大貿易戦争だということが徐々に明らかになってきております。
昨年4月の記事では、トランプ大統領のプロレスの可能性大と書きましたが、残念ながら外れてしまったようです。
さて、前置きはこのぐらいにして、まずは米国と中国の輸出入金額を見てみようと思います。
◆米国における国別輸出入金額(2017年)
まずは、米国の国別輸入金額です。輸入総額は2兆3419億ドルで、国別では中国が第1位の5055億ドル(全体の22%)となっており、メキシコ、カナダ、日本、ドイツと続きます。
■米国の国別輸入金額(2017年)
(出所)日本貿易振興機構(ジェトロ)「世界貿易投資報告」次は、輸出金額です。
輸出総額は1兆5463億ドルで、国別では第1位がカナダ、次にメキシコ、第3位に中国の1299億ドル(全体の8%)となっています。
■米国の国別輸出金額(2017年)
(出所)日本貿易振興機構(ジェトロ)「世界貿易投資報告」数字でみると、米国の対中輸入額は輸出の約4倍もあるので、不均衡だといわれるとそのとおりにも読み取れますね。
次に、中国側の数字も見てみようと思います。
◆中国における国別輸出入金額(2017年)
中国の国別輸入金額です。輸入総額は1兆8409億ドルで、国別では第1位が韓国、次に日本、台湾と続き、第4位に米国の1539億ドル(全体の8%)となっています。
■中国の国別輸入金額(2017年)
(出所)日本貿易振興機構(ジェトロ)「世界貿易投資報告」輸出金額です。
輸出総額は2兆2635億ドルで、国別では第1位が米国の4297億ドル(全体の19%)となっており、次に、香港、日本、韓国、ドイツと続いています。
■中国の国別輸出金額(2017年)
(出所)日本貿易振興機構(ジェトロ)「世界貿易投資報告」米国側の輸入額で1位が中国(5055億ドル)だったのと同様に、中国の輸出額の第1位も米国(4297億ドル)となっています。
なお、それぞれの数字に結構な開きがあるので、個人的には中国側の公表金額がやや過小なのかなと思っています。
※輸出側につていも、同様に開きがあり、中国側の過小評価なのかもしれません。
(参考)ジェトロの資料データです。
■米国の国・地域別輸出入
(出所)日本貿易振興機構(ジェトロ)「世界貿易投資報告」■中国の主要国・地域別輸出入
(出所)日本貿易振興機構(ジェトロ)「世界貿易投資報告」では、昨年から始まった貿易戦争についても見てみたいと思います。
◆米中貿易戦争の関税まとめ
第1弾から第3弾まで米国側の制裁関税をざっくりですがまとめてみました。第2弾までは既に発動済みで、現時点では第2弾の税率(25%への引き上げ)と第3弾の追加関税(対中輸入品のほぼすべてに関税)について、米中双方で協議中となっています。
【第1弾】2018年6月 中国製品1300品目に25%の関税(500億ドル)
→ [中国]500億ドルの報復措置
【第2弾】2018年9月 中国製品6000品目に10%の関税(2000億ドル)
→ [中国]600億ドルの報復措置
※2019年1月に税率25%に引き上げ?
【第3弾】2019年X月 (検討中)追加関税(2670億ドル)
米国側のインパクトを見ると、第3弾がもし発動されれば、対中輸入品のほぼすべてに制裁関税がかかることになります。その総額は何と5055億ドル!ここからもガチの貿易戦争だということが分かるのではないでしょうか。
■米国の対中関税インパクト
(出所)報道資料等を元に筆者作成一方、中国側のインパクトを見ると、米国側の輸入金額と比べて規模が小さく、かなり弱い印象ですね。仮にすべての輸入品に報復関税が賦課されても1540億ドルしかありません。
この辺りを見ても、今回の貿易戦争では米国が圧倒的に有利であることがわ分かりますね。関税戦争になっても、そもそも規模が違うので勝負にならないと感じる所以だと思います。
■中国の対中関税インパクト
(出所)報道資料等を元に筆者作成ただ、今回の貿易戦争は、その背景に今後の国の命運運をかけた覇権戦争という様相があるため、中国がすんなり引き下がるとも思えません。
また、つい先日あったアップルショックからもわかるように、すでに米国企業の業績に貿易戦争の影響が出始めていることを考えると、米国側も第3弾までの発動に踏み切るのか定かではないのでしょうか。
◆まとめ
今回は、米中貿易戦争についてざっくりですが数字で確認してみました。互いの命運を懸けた覇権戦争の様相を呈しており、すでに短期間で解決するとは思えない状況となっております。
また長期化に伴い、アップル以外の中国関連の米国企業にも今後深刻な影響が出ることが予想されますので、引き続き注意深く見てきたいと思います。
ご一読くださりありがとうございました。
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