【MA】|米国株|銘柄分析|マスターカードの10年後予想株価、期待収益率はいくらになるか?



ポイント

  • マスターカードの10年後予想期待収益率は、PER上限値の場合で約16%、平均値で約12%、下限値では約6.7%と予想。
  • マスターカードなどの決済インフラ企業の動向は今後目が離せない。

こんばんは、Yukinosuke(@yukinosuke35)です。

今回は「プライスレス」で有名なマスターカードについて、会社概況、財務データ、10年後予想株価を考えたいと思います。

では、まずは会社概況からです。

◆会社概況

VISAに次ぐ世界第2位のクレジットカード会社で、7大国際ブランドのひとつです。(VISA、マスターカード、JCB、アメックス、ダイナース、ディスカバー、銀聯)

VISA同様にクレジットカードの決済処理手数料とライセンス料が主な収益元です。

2002年にEuroCardと統合、2017年には、VocaLink(英)を買収しています。

自社ではカード発行はしておりませんが、ブランド力と実績を生かして全世界に展開し、安定した財務基盤、高い収益性という素晴らしい特徴があります。

さらに、電子決済、キャッシュレス、スマホ決済などの普及により、今後の収益性、成長性には追い風が見込まれています。


次は、マスターカードの財務データを確認します。データソースはモーニングスターからです。

◆財務データ

■売上高、売上高成長率(対前年)


売上高はきれいな右肩上がりで申し分ありませんね。

■純利益、純利益成長率(対前年)


純利益も基本的には右肩上がりですが、17年は税制改正の影響(特損)により減となっています。18年はその反動もあってか一転大幅増となっています。

■EPS(1株当たり利益)、EPS成長率(対前年)


17年を除きEPSの増加率も申し分ありませんね。18年の増加幅はこれだけみると驚異的ですね。

■1株当たり配当、配当性向(PayoutRatio)


配当は17年を除き毎年増加しています。
配当性向はここ数年は約20%あたりで落ち着いています。

■キャッシュフロー


設備投資キャッシュフローの少なさはVISAと同様で、カード会社の大きな特徴の一つです。それにより潤沢なフリーキャッシュフローが生まれています。

■株数、株数(09年=100)


潤沢なフリーキャッシュフローの主な向かい先は自社株買いです。
2018年は約2,620万株の自社株式を49億ドルで買い戻しており、2009年から比べると約2割も株数は減少しています。

◆10年後予想株価はどのようになるか?

10年後の予想株価を考えます。
計算方法は、「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」(日本経済新聞出版社)を参考にしています。

■EPS(実績)+近似線


2009年から2018年までの実績EPSとそれの近似曲線(指数)です。
計算してみてみると毎年約19.6%の増加率であることがわかりました。

この増加率が今後も続くと仮定した場合の10年後(2028年)の予想EPS、予想株価、期待収益率を計算すると以下のようになります。

■10年後の予想EPS、予想株価、期待収益率


スタート地点の2018年のEPSは、直近3年のEPS平均値(4.31ドル)としています。

これが毎年19.6%の増加率でこの先成長した場合、2028年のEPSは25.79ドルと計算できます。

配当性向は、ここのところは約20%程度で安定しているので、直近3年の配当性向の平均値の21%で固定しています。 この場合の2028年の配当は5.3ドル(=25.79×0.21)となり、これまでの累積配当額は26.97ドルとなります。

2028年の予想株価は、過去10年のPERの上限値(38.2)と下限値(15.9)、平均値(27.7)にEPSをかけてそれぞれ計算しています。

配当込み予想株価は、予想株価にそれまでの累積配当金を加えいます。

予想期待収益率(年率)は、2019年2月末株価の227.25ドルを元に利回りを計算しています。
結果はPER上限値の場合で約16%、平均値で約12%、下限値では約6.7%となりました。

◆まとめ

今回はマスターカードについて、会社概況、財務データ、10年後の予想株価をまとめてみました。

PERの上限下限に応じて期待収益率を計算したところ、PER上限値で約16%、下限値では約6.7%となりました。

つい先日、アップルがゴールドマンと組んでクレジットカード事業に参入(マスターカードの決済ネットワークを使うそうです。)との報道があったとおり、今後の決済ネットワーク企業の外部環境は大きく変化するのではないかと個人的には考えています。

特に、GAFAなど既存ビジネスとの親和性が非常に高い企業は、決済インフラごと買収してしまいたいと思っているはずですから、場合によっては買収されるなんてこともこの先あるかもしれませんね。


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