ポイント
- 今回の逆イールドがリセッションのシグナルかどうかはもう少し様子見か。
- 過去のバブルを例にみると、可能性は低いが意外と早くにS&P500がピークをつけ、下降トレンドに入る可能性も。
こんばんは、Yukinosuke(@yukinosuke35)です。
今回はドットコムバブル時の逆イールドとその後のS&P500の推移を確認したいと思います。
◆逆イールドとは?
逆イールドとは、長期金利(米国10年債)から短期金利(米国3ヶ月物:Tビル)を引いた長短金利差がマイナスの値になることで、この状態になってから1年〜2年でリセッション入りすることが経験的に知られています。つまり、リセッション到来のシグナルという訳です。
短期金利には2年物を使う場合もありますが、FRBや経済学者などは主に3ヶ月物利回りを好んで使うようです。
(出所)FRED | St. Louis Fed
直近の長短金利差をみると、△0.05%ですでに逆イールドになっています。
ただ、まだ逆イールドになってから日が浅いため、リセッションのシグナルかどうかは現時点ではまだ何とも言えませんね。
◆ドットコムバブル時の逆イールドとS&P500の推移を振り返る
(出所)FRED,CBOEより筆者作成チャートはドットコムバブル時の長短金利差とS&P500、FFレートの推移です。
ドットコムバブルに注目する理由は、バフェット指数の高止まりの要因がGAFAなどの時価総額増によるためで、これはドットコムバブルと似ているのではと考えているためです。(以下参考記事です。)
さて、チャート内の長短金利差の符号がマイナスに反転した(逆イールドになった)タイミング、とS&P500のピークの日付をみると以下のとおりです。
■長短金利差の符号がマイナス反転(青縦線)
1998年9月10日、2000年4月7日■S&P500のピーク(赤縦線)
2000年3月24日(1527.46)■リセッション入り
2001年3月1998年9月に逆イールドになってからS&P500のピークまでは約1年半、2000年4月からだとすでにピークは過ぎていることがわかります。
これらを踏まえると、今回が過去と同じパターンとは限りませんが、1998年9月の逆イールドであれば、S&P500のピークまでまだ時間はありますが、仮に2000年4月のパターンだとすでにピークは過ぎている可能性もありということになります。
FRBには利下げという選択肢もあることから、まだしばらくは上昇トレンドのような気もしますが、いかがでしょうか。
◆まとめ
今回は、ドットコムバブル時の逆イールドから、その後のS&P500の動きを振り返りました。逆イールドを細かくみると、もしかすると案外早くにS&P500はピークをつけ、下降トレンドに入る可能性もあるのではないかとも思えます。
マーケット関係者のうち2019年中の利下げを予想する人がそれなりにいることも頷けるのではないでしょうか。
いずれにしても、かれこれ約10年続いた強気相場もそろそろ終わりに差し掛かっている訳ですから、資産のリスク管理はしっかりとしていきたいところですね。
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