【AAPL】銘柄分析|FY18通期|アップルはバフェットも認める素晴らしい企業|Appleの10年後株価を予想!


ポイント

  • アップルの2028年の予想株価は、PER上限では461.1ドル、平均では353.4ドル、下限で272.7ドル
  • 2028年の予想期待収益率は、PER上限では7.4%、平均では4.6%、下限で1.9%
  • これまでのiPhoneに依存したビジネスモデルから、サービス部門を加えたバランスよく儲けるビジネスへシフトしている。

こんばんは、Yukinosuke(@yukinosuke35)です。

本記事ではアップルについて、会社概要、財務分析、10年後予想株価、期待収益率などを確認します。

◆会社概要

1977年にスティーブ・ジョブズ、スティーブ・ウォズニアックらによって設立されたテクノロジー企業です。

iPadやiPhone、Apple Watch などのデバイスを独自開発し、時代を切り開いてきたことは言うまでもありませんね。

近年はApple Music、App Store などサービス事業へも注力し、これまでのハードウェアに依存したビジネスモデルからの脱却を進めています。

以下は主な製品のリリース時期等を時系列でまとめたものです。

1976年 Apple I
1977年 Apple II
1980年 Apple III
1984年 初代Macintosh
1985年 S・ジョブズ辞職
1991年 Macintosh PowerBook 140
1996年 S・ジョブズ復帰
1998年 iMac G3
1999年 Power Macintosh G3
1999年 iBook
2001年 初代iPod
2004年 iPod mini
2005年 iPod shuffle 、iPod nano
2007年 初代iPhone、Apple TV
2008年 MacBook Air
2010年 iPad
2011年 S・ジョブズ死去
2014年 Apple Pay
2015年 Apple Watch 、Apple Music
2016年 AirPods
2019年 Apple Card(予定)

2011年のS・ジョブズ亡き後のサービス部門へのシフトがよくわかりますね。

続いて財務分析です。

◆財務分析

  • ソースはモーニングスターUSからです。
  • 予想利益の数値等は税引き前の理論値です。
  • 計算方法は、「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」(日本経済新聞出版社)を参考にしています。
  • 各種チャートは筆者作成です。
  • チャート横軸の西暦は会計年度(FY)です。

■売上高&売上高成長率


天才S・ジョブズ亡き2011年以降の成長率の鈍化が鮮明ですが、むしろそれまでが高すぎたというところなのかもしれません。

ただ、鈍化したとは言いながらも、着実に成長が続いている点は、T.クック現CEOを素直に評価すべきではないでしょうか。

なお、直近2019年Q1~Q3決算の売上高(196,134百万ドル)の構成比を見ると、iPhoneの減少分を他の部門の伸びで補う形になっており、脱iPhoneの効果が表れています。

(出所:Apple Quarterly Earnings Reports より筆者作成)

また、地域別売上高を見ると、米中貿易戦争の影響を受け、中国のシェアが減少しております。
最終的にどの辺りに落ち着くのか今後の注目ポイントだと思います。

(出所:Apple Quarterly Earnings Reports より筆者作成)

■営業利益&営業利益成長率

■純利益&純利益成長率


営業利益成長率、純利益成長率ともに2013年、2016年に大きく減少しています。

調べてみたところ、2013年は部材原価の上昇や低価格商品(iPhone SE)の投入、2016年はiPhoneの販売台数の鈍化等によるところのようでした。

いずれにしても、iPhoneの好不調の波を大きく受けるビジネスだということがよくわかります。

2018年は高価格帯のiPhoneが好調だったことに加えて、法人減税の特殊要因により大きく伸びる結果となっています。

■粗利益率&営業利益率


粗利益率、営業利益率はほぼ横ばいが続いております。
なお、今後、サービス部門が大きく成長すれば、いずれの利益率も増加することが見込まれます。
今後の成長に期待したいところですね。

■キャッシュフロー


営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローともに、ここのところやや減少傾向でしたが、2018年は改善する結果となっています。

また、投資キャッシュフローは微増となっており、経営に大きな負担となるレベルではないと考えられます。

ただ、前回のマイクロソフトの銘柄分析でも見たように、クラウドでしのぎを削る企業の投資キャッシュフローは、かなりえぐい増加幅でしたから、このことがこの先のアップルの成長にとってプラスなのかマイナスなのか、難しいところではないでしょうか。
※アップルはクラウド部門が課題(弱い)と以前から指摘されています。

■株数、株数(2009年=100)


株数は自社株買いにより2009年から2018年で約20%減となっています。

アップルは、世界でも屈指のキャッシュ・リッチ企業ですから、有り余る現金を自社株買いに振り向けていることがわかります。

参考までに2018年は約727憶ドル、2019年Q1~Q3まででは、自社株買いは495憶ドルとなっています。

一株当たりに換算すると、だいたい14.5ドル(=727憶ドル÷50憶株)程度といったところでしょうか。

■配当、配当性向、配当増加率



意外にも初配当は2012年です。
ここ最近は増配率10%前後をキープしており、5年連続増配となっています。

配当性向(Payout Ratio)は、20%前後とかなり低いですね。
ただ、その分、積極的に自社株買いを進めているのでトータルではかなり株主へ還元していることがわかります。

■R&D(研究開発費)


研究開発費の売上高に占める割合の推移です。
ここのところ上昇傾向ですが、それでも約5%程度と非常に低いですね。

前回取り上げたマイクロソフトは13%程度ありましたから、アップルの場合、研究開発に思うように投資ができていないと考えるか、消費者独占的な商品を手掛けているため妥当な水準だと考えるか、このあたりをどう評価するのか悩ましいですね。

◆10年後予想株価

■EPS&EPS成長率(実績)



EPS成長率の推移です。

2009年から2018年のEPS年平均成長率を直線で近似すると、年間約1.067ドルの上昇幅となりました。
※アップルの場合、年率(指数)よりも直線(線形)で近似した方が当てはまりがよいので、直線での近似としています。

■今後のEPSの推移(予想)


先ほど計算したEPS成長(+1.067ドル/年)が今後も続くと仮定した場合の予想EPSの推移です。

計算したところ2028年の予想EPSは20.48ドルという結果になりました。

■過去のPER(実績)

2009年から2018年における実績PERの上限、平均、下限は次のとおりでした。

<PER上限> PER=20.6
<PER平均> PER=15.3
<PER下限> PER=11.4

■予想株価


予想EPSに実績PER(上限、平均、下限値)をかけて計算した予想株価の推移です。

2028年の予想株価は、PER上限では461.1ドル、平均では353.4ドル、下限で272.7ドルとなりました。

■予想期待収益率


先ほど計算した予想株価をもとに、2018年9月末時点の株価(225.74ドル)を基準とした予想期待収益率を計算(CAGR)しています。

2028年の予想期待収益率は、PER上限では7.4%、平均では4.6%、下限で1.9%となりました。

■10年後の予想EPS、予想株価、期待収益率


これまで出てきた数字をまとめています。

2028年では、EPSが20.48ドル、予想株価は、PER上限では461.1ドル、平均では353.4ドル、下限で272.7ドルとなりました。

また、予想期待収益率は、PER上限では7.4%、平均では4.6%、下限で1.9%となりました。

現在の株価は203.43ドル(2019年8月8日時点)で、2018年高値(229.90ドル)からは1割程度割安となっています。





株価は米中貿易戦争などの影響を織り込んでか、やや値動きの荒い展開となっており、他のテクノロジー銘柄と比べて割高感もそれほどありません。

貿易戦争により昨年末にかなり売り込まれましたが、アップルのポテンシャルの素晴らしさなのか、年初来トータルリターンが36%となるなど株価はここへ来て回復してきております。

ただ、今後の展開によっては、さらに値動きの荒い展開も予想されますから、そのあたりはなんとも読めませんね。

◆まとめ

今回はアップルについて、会社概要、財務分析、10年後予想株価、期待収益率などを振り返りました。

これまでのiPhoneに依存したビジネスモデルから、サービス部門も加えたバランスよく儲けるビジネスへ大きく脱却を図かろうとしていることがわかりましたし、徐々にですがその成果も出始めているように思います。

これがうまくいけば、マイクロソフトが目指すような安定と成長を同時に手にれるようなことも可能かもしれませんが、いかがでしょうか。

ただ、現在進行形の米中貿易戦争には無関係ではいられない点は、今後の成長や株価にどの程度影響を与えるのかは、とても難しいところだと思います。(正直なところこればかりは考えても仕方ないのですが・・・。)

しかしながら、W.バフェットは投資にあたり、政治の動きはほとんど気にしないとも言っています。

中国問題で揺れるアップルですが、何年か後で振り返ってみれば、実はそれほど問題ではなかったということも場合によってはあり得るかもしれませんね。
※いずれにしても投資は自己責任でお願いいたします。

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