ポイント
- VISA(ビザ)の2029年の予想株価は、PER上限では1154.7ドル、平均では843.8ドル、下限で473.8ドル
- 2029年の予想期待収益率は、PER上限では21.0%、平均では17.2%、下限で10.7%
- 前回2018年の予想株価、予想期待収益率から大きな変更はなし
- VISAの安定感は抜群
こんばんは、Yukinosuke(@yukinosuke35)です。
ビザ(V)の2019年決算が公表されたので、財務分析データと10年後予想株価、期待収益率を更新しました。
会社概要や2018年決算データについては、過去記事をご覧ください。
ではさっそく財務分析からです。
◆財務分析
- ソースはモーニングスターUSからです。
- 予想利益の数値等は税引き前の理論値です。
- 計算方法は、「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」(日本経済新聞出版社)を参考にしています。
- 各種チャートは筆者作成です。
- チャート横軸の西暦は会計年度(FY)です。
- ソースはモーニングスターUSからです。
- 予想利益の数値等は税引き前の理論値です。
- 計算方法は、「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」(日本経済新聞出版社)を参考にしています。
- 各種チャートは筆者作成です。
- チャート横軸の西暦は会計年度(FY)です。
■売上高&売上高成長率
■営業利益&営業利益成長率
■純利益&純利益成長率
2019年の売上高は対前年比で約11.5%の増加となりました。
営業利益成長率は13.6%、純利益成長率は17.3%となりこれまでのペースどおりで問題ない数字ではないでしょうか。
■粗利益率&営業利益率
粗利益率、営業利益率ともにとても高い値をキープしています。
この高収益な点を見れば、素晴らしいビジネスモデルであることがわかりますね。
■キャッシュフロー
それにしても盤石なキャッシュフローですね。
■株数、株数(2010年=100)
自社株買いにより2010年時点からの比較で株数は約23%減となっています。
2019年は86憶ドル(2018年は72憶ドル)の自社株買いで、一株当たりに換算すれば、概ね3.7ドル(=86憶ドル÷23憶株)程度の規模ということになります。
■配当、配当性向、配当増加率
2019年の増配率は22.0%でした。
昨年に続き2019年も20%台の増配率となり、12年連続増配となっています。
配当性向(Payout Ratio)は20%弱とまだまだ余裕があります。
■バランスシート 総資産(%)
バランスシート全体を100%としたときの、流動資産(Currnet Assets:ピンク)と固定資産(Non-Current Assets:青)の構成比です。
直近2019年では流動資産が3割、固定資産が7割を占めています。
固定資産では無形資産(Intangibles)が一番大きく、顧客関係資産(Customer relationships)とのれん(Goodwill)がそのほとんどを占めています。
顧客関係資産(Customer relationships)はあまり聞きなれない項目ですが、調べてみたところ、顧客リストや顧客基盤などをもとに資産評価する項目のようで、主に買収等に由来するものとありました。
なお、10-Kによれば、2019年9月末時点で顧客関係資産は約222憶ドルとそれなりの規模となっております。
同様にバランスシート全体を100%としたときの、負債(ピンク)と株主資本(青)の構成比です。
2016年以降、負債の割合が増加しており、特に長期債務(Long-Term Debt)がかなりの部分を占めております。
調べてみたところ、これは2015年11月に約233憶ドルで買収したVisa Europeの影響だと思われます。
これは余談ですが、2015年のVisa Europe買収当時はこの買収が嫌気され、株価も一時的に下落しました。
なお、今となってはVisa Europe買収をマーケットが嫌気したなどは信じられない話だと思いますが、こういうところがマーケットは短期的には人気投票といわれる所以なのかもしれませんね。
2016年以降、負債の割合が増加しており、特に長期債務(Long-Term Debt)がかなりの部分を占めております。
調べてみたところ、これは2015年11月に約233憶ドルで買収したVisa Europeの影響だと思われます。
これは余談ですが、2015年のVisa Europe買収当時はこの買収が嫌気され、株価も一時的に下落しました。
なお、今となってはVisa Europe買収をマーケットが嫌気したなどは信じられない話だと思いますが、こういうところがマーケットは短期的には人気投票といわれる所以なのかもしれませんね。
◆10年後予想株価
■EPS&EPS成長率(実績)
EPS成長率の推移です。
2019年のEPSは対前年比で20%の成長となりました。
2010年から2019年のEPS年平均成長率(CAGR)を機械的に計算すると年間約20%の成長率となりました。
■今後のEPSの推移(予想)
先ほど計算したEPS成長率が今後も続くと仮定した場合の予想EPSの推移です。
計算したところ2029年の予想EPSは26.78ドルという結果になりました。
■過去のPER(実績)
2009年から2018年における実績PERの上限、平均、下限は次のとおりでした。
※過去10年の実績PERは(モーニングスターの更新がまだなので)据え置いております。
※過去10年の実績PERは(モーニングスターの更新がまだなので)据え置いております。
<PER上限> PER=42.1
<PER平均> PER=30.5
<PER下限> PER=16.7
■予想株価
予想EPSに実績PER(上限、平均、下限値)をかけて計算した予想株価の推移です。
2029年の予想株価は、PER上限では1154.7ドル、平均では843.8ドル、下限で473.8ドルとなりました。
■予想期待収益率
先ほど計算した予想株価をもとに、2019年9月末時点の株価(172.01ドル)を基準とした予想期待収益率を計算(CAGR)しています。
2029年の予想期待収益率は、PER上限では21.0%、平均では17.2%、下限で10.7%となりました。
■10年後の予想EPS、予想株価、期待収益率
これまで出てきた数字をまとめています。
2029年では、EPSが26.78ドル、予想株価は、PER上限では1154.7ドル、平均では843.8ドル、下限で473.8ドルとなりました。
また、予想期待収益率は、PER上限では21.0%、平均では17.2%、下限で10.7%となりました。
予想株価、予想期待収益率ともにいまのところ予想どおり推移しており、大きな変更はありません。
現在の株価は183.0ドル(2019年11月27日時点)です。
株価はここのところやや一服間がありますね。
昨年は年末にかけておおきく下げましたが今年はどうでしょうか。
◆まとめ
本記事ではVISAについて、2019年決算をベースとした財務分析、10年後予想株価、期待収益率など確認しました。結果としては、昨年18年データに基づく予想値から大きな変更はありませんでした。
消費者独占的な地位による安定したキャッシュフローにそれを源泉とする自社株買いと配当。
この鉄板のサイクルが続く限りこの先もVISAの株価は揺るぎないと考えますがいかがでしょうか。
ただ、ここのところキャッシュレスに絡むニュースを見ない日はありませんから、王者VISAとはいえ次にどのような戦略を打ち出すのか非常に悩ましいところだと思います。
(そうえいば、VISAのサイトを見ると、ICでタッチしてみたり、オンラインのチェックアウトボタンを出したりと、試行錯誤(苦悩?)が感じられます。)
なお、個人的には仮にこの先、QR決済全盛の時代が来たとしても、結局はQR決済アプリにVISAやマスターカードなどを紐づけて決済しているのではないかと予測しております。
※いずれにしても投資は自己責任でお願いいたします。
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