ポイント
- マスターカード(MA)の2029年の予想株価は、PER上限では1767.3ドル、平均では1200.1ドル、下限で658.8ドル
- 予想期待収益率は、PER上限では19.5%、平均では14.9%、下限で8.2%
- 好調な2019年決算を受け、今後の各種予想値は、2018年時点よりもやや上振れする結果に
- 利益警告が出たことから、短期的には株価は調整局面か
こんばんは、Yukinosuke(@yukinosuke35)です。
本記事では、公表された2019年決算データをもとに、マスターカード(MA)の財務分析データと10年後予想株価、期待収益率を確認します。
◆会社概要
会社概要や2018年決算データは過去記事をご覧ください。
ではさっそく財務分析です。
◆財務分析
- ソースはモーニングスターUSからです。
- 予想利益の数値等は税引き前の理論値です。
- 将来予測の計算方法は「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」(日本経済新聞出版社)を参考にしています。
- 各種チャートは筆者作成です。
- チャート横軸の西暦は会計年度(FY)です。
- ソースはモーニングスターUSからです。
- 予想利益の数値等は税引き前の理論値です。
- 将来予測の計算方法は「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」(日本経済新聞出版社)を参考にしています。
- 各種チャートは筆者作成です。
- チャート横軸の西暦は会計年度(FY)です。
■売上高&売上高成長率
■営業利益&営業利益成長率
2019年の売上高は対前年比で約13%の増加となりました。
同様に営業利益成長率は約16%、純利益成長率は約39%となり、文句の付けようのない数字ではないでしょうか。
なお、参考までにVISAの数字を振り返ると、2019年の売上高は対前年比で約11.5%増、営業利益成長率は13.6%増、純利益成長率は17.3%増となっています。
単純に数字だけで比べるとマスターカードの方が成長率はいいですね。
■粗利益率&営業利益率
2019年の営業利益率は約57%で、2018年よりも微増となっています。
■キャッシュフロー
特にここ数年の伸びは素晴らしいですね。
■株数(Shares)、株数(2010年=100)
2019年は自社株買いにより65憶ドルを株主還元しています。
■配当(DPS)、配当性向(Payout Ratio)、配当増加率(DPS成長率)
■バランスシート 総資産(%)
バランスシート全体を100%としたときの、流動資産(Currnet Assets:ピンク)と固定資産(Non-Current Assets:青)の構成比です。
2019年は流動資産が6割、固定資産が4割を占めています。
固定資産では無形資産(Intangibles)が一番大きくなっています。
同様にバランスシート全体を100%としたときの、負債(ピンク)と株主資本(青)の構成比です。
2014年以降、負債、特に長期債務(Long-Term Debt)の割合が増加し、2019年時点では約30%を占めています。
他の企業と同様に自社株買いやM&Aなどに資金を充てていると推測されます。
なお、2019年8月に決済サービス会社ネッツ(デンマーク拠点)の決済プラットフォームを28億5000万ユーロ(約3400億円)で買収しています。
2014年以降、負債、特に長期債務(Long-Term Debt)の割合が増加し、2019年時点では約30%を占めています。
他の企業と同様に自社株買いやM&Aなどに資金を充てていると推測されます。
なお、2019年8月に決済サービス会社ネッツ(デンマーク拠点)の決済プラットフォームを28億5000万ユーロ(約3400億円)で買収しています。
◆10年後予想株価
■EPS&EPS成長率(実績)
EPS成長率の推移です。
2010年から2019年のEPS年平均成長率(CAGR)を機械的に計算すると年約21%の成長率となりました。
かなり高めの値ですがひとまずはこの成長率にて計算しています。
■今後のEPSの推移(予想)
先ほど計算したEPS成長率が今後も続くと仮定した場合の予想EPSの推移です。
計算したところ2029年の予想EPSは39.10ドルという結果になりました。
■過去のPER(実績)
2010年から2019年における実績PERの上限、平均、下限は次のとおりでした。
<PER上限> PER=44.3
<PER平均> PER=29.8
<PER下限> PER=16.0
■予想株価
予想EPSに実績PER(上限、平均、下限値)をかけて計算した予想株価の推移です。
2029年の予想株価は、PER上限では1767.3ドル、平均では1200.1ドル、下限で658.8ドルとなりました。
■予想期待収益率
先ほど計算した予想株価をもとに、2019年12月末時点の株価(298.59ドル)を基準とした予想期待収益率を計算(CAGR)しています。
2029年の予想期待収益率は、PER上限では19.5%、平均では14.9%、下限で8.2%となりました。
■10年後の予想EPS、予想株価、期待収益率
これまで出てきた数字をまとめています。
2029年では、予想EPSが39.10ドル、予想株価は、PER上限では1767.3ドル、平均では1200.1ドル、下限で658.8ドルとなりました。
また、予想期待収益率は、PER上限では19.5%、平均では14.9%、下限で8.2%となりました。
現在の株価は290.73ドル(2020年3月5日時点)で、10年チャートを見ると、50週平均の278ドルが目前となっています。
新型コロナウイルスの影響により株価は大きく調整していますね。
なお、先月公表の利益警告によれば、FY2020Q1の売上高成長率が2~3%ポイント下振れする見込みともアナウンスされていますので、どの程度まで株価に織り込まれるているのかはまだ不透明ではないでしょうか。
◆まとめ
本記事ではマスターカードについて、2019年決算値により財務分析、10年後予想株価、期待収益率など確認しました。好調な2019年決算を受け、今後の各種予想値は、2018年時点よりもやや上振れする結果となっており、この先も引き続き強固なペースでの成長が見込まれます。
フィンテックはとても魅力的なビジネスであることに変わりありませんから、マスターカードのビジネス環境は追い風だと思います。
ただ、短期的には新型コロナウイルスによる経済の減速リスクは無視できないレベルとなっており、今後の不透明感も強まっていると思います。
また、新型コロナウイルスに伴う利益警告が出たことから、短期的には株価は調整するかもしれません。
いずれにしても、マスターカードが素晴らしいビジネスであることにはこの先も変わりませんので、個人的には楽観しております。
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