超資本主義アメリカのリアルをデータで見る|GDP・平均寿命・ジニ係数・貧困率など


こんばんは、Yukinosuke(@yukinosuke35)です。

今回は、投資とは直接関係ありませんが、アメリカという国を取りまく現状について、GDP・平均寿命・ジニ計数、貧困率などのデータを確認してみたいと思います。

◆GDP(USドル)

世界銀行の資料より、2017年のGDP(名目)の国別上位ランキングです。

言うまでもなくアメリカは約19.4兆ドルで、ぶっちぎりの世界1位です。日本は約4.9兆ドルの第3位。

GDPはその国のマーケット規模、国力を表しますので、アメリカという国が経済大国と言われる所以が分かると思います。(出所)The World Bank Group|Data より

◆一人当たりGDP(USドル)

こちらも世界銀行の資料より、2017年の一人当たりGDP(名目)の国別上位ランキングで、先ほどのGDPを一人当たりに換算したものです。

アメリカは約59,532ドルの第8位です。日本は下図中にありますが約38,428ドルの第27位。

トップはルクセンブルグやスイスなどの人口が少ない国がランクインしております。同じGDP規模の場合、人口が少なければ一人当たりにすると値は上昇します。逆に、人口が多いと一人当たりに換算すると不利ということになります。

なお、アメリカの人口は約3.2億人と、先進国の中では人口が一番く、世界全体でみても中国、インドに次ぐ第3位ですので、一人当たりでみても第8位ということは、文句の付けようがないと言えるのではないでしょうか。
(出所)The World Bank Group|Data より

◆一人当たりの購買力平価GDP(USドル PPP)

2017年の一人当たり購買力平価(※)GDPの国別上位ランキングです。

アメリカは約59,532ドルで第13位です。日本は下図中にありますが、上と同じ第27位です。

※購買力平価(PPP:Purchasing Power Parities):経済活動を国際比較するために,国家間の物価水準における差を除去することによって,異なる通貨の購買力を等しくする通貨換算率。(総務省「世界の統計2018」より)
詳細については、ここが詳しいです。
(出所)The World Bank Group|Data より

次は、平均寿命と一人当たりGDPです。

◆平均寿命と一人当たりGDP(USD PPP)

OECDの資料から、平均寿命と一人当たりGDPを同時に見たものが下図です。

アメリカは一人当たりGDPが高い割には、平均寿命が短いことが分かります。

一方、日本は、一人当たりGDPはそこそこでしたが、平均寿命は長いという傾向があります。

アメリカの平均寿命が短い理由としては、肥満や薬物、高額な医療費、社会格差などが主な要因だと言われています。

個人や企業の権利が厚く保障されている半面、自己責任も徹底されていることが、これらの遠因になっていると思われます。

◆平均寿命と一人当たり医療費(USD PPP)

同じくOECD資料から、先ほどの一人当たりGDPを一人当たり医療費に置き換えたものです。
アメリカの一人当たり医療費は、ずば抜けて高くなっていますが、一方で、平均寿命は先進国の中でも最低ランクであることがわかります。

例えば、アメリカで骨折して1日入院した場合、約1万5千ドルが請求されたなど、日本では冗談なような話ですが、アメリカでは本当の話です。

このような背景があり、医療保険への加入を義務化するオバマケアが導入されましたが、トランプ政権になり雲行きは怪しくなっています。トランプ政権としては、大型減税の方が優先順位が高いということなのだと思います。

ただ、今年1月にアマゾンとバークシャー・ハサウェイ、JP モルガンの 3 社は、医療費圧縮を目的にヘルスケア企業を共同で立ち上げる計画を発表し、この問題に一石を投じようとしています。
この辺りについては、今後の動向に注億したいと思います。

◆平均寿命の推移(アメリカ・日本)

アメリカの平均寿命はここのところ頭打ちとなっています。日本は人生100年時代に向けて、これまでのペースで伸びています。
(出所)The World Bank Group|Data より

次は、社会格差などを示すジニ係数です。

◆ジニ係数

OECD資料より、2015年のジニ係数の国別上位ランキングです。
ジニ係数は、所得や資産の不平等あるいは格差を表す数字で、0.4を超えると社会が不安定化し、0.5を超えると内乱や暴動がおこると言われています。

アメリカで0.39、日本は0.33となっています。
なお、資料にはありませんが、アメリカ、日本とも微増傾向で、アメリカは0.4がもう目前となっています。


(出所)OECD Income Distribution Dabaseより

最後に相対的貧困率です。

◆相対的所得貧困率

同じくOECD資料から、2015年の相対的所得貧困率の国別上位ランキングです。
相対的貧困率は、簡単にはある所得ライン(貧困線)以下の人数の全体に占める割合で定義されます。

日本の場合の貧困線は、約122万円で相対的貧困率は16.1%です。アメリカは16.8%で、実は日本とそれほど大きな差がないことが分かります。

また、日本においては今後進行する少子高齢化の影響により、年金等が減額され、相対的貧困率が上昇する可能性もありますが、その場合は貧困線自体も低下するため、それほど大きく上昇することは考え難いかもしれません。
なお、日本が上位に食い込んでいる点は注目ですね。

(出所)OECD Income Distribution Dabaseより

◆まとめ

今回は、GDPや平均寿命、ジニ係数などのデータについて、アメリカと日本を中心に確認しました。

今回のデータを見ると、アメリカは世界最大の経済大国であり、個人主義やビジネスファーストが徹底・優先されている国であることが再確認できたと思います。

平均寿命が低かろうが、医療費やジニ係、貧困率が高かろうが、それよりも何よりも大型減税を優先し、すでに実施してしまったところにアメリカの資本主義の本質を見たような気がします。(そうえいば最近はオバマケアの話題をあまり聞きません。)

翻えって日本はどうでしょうか。
GDPでは世界第3位ではあるものの、一人当たりに直すとトップ10にも入っていません。経済大国とは言われるものの、深刻な少子高齢化、人口減少などを考えた場合、この先のジリ貧感、閉そく感は多くの日本人に共通する感覚ではないでしょうか。

いずれにしても、アメリカが抱える問題は、アメリカが大切にするもの(能力主義、結果主義、自由市場主義、投資では株主価値重視など)の負の側面であるわけですから、これからどのように折り合いをつけていくのか、引き続き注目していきたいと思います。

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