ポイント
- 年金支給額とその不足分を米国連続増配株の配当金で賄うべく、米国連続増配株について過去30年に渡り配当再投資した場合のパフォーマンスを確認した。
- 1988年に投資した1万ドルは2018年には約38万ドル、配当金は年間約25,000ドルとなった。
- 人生100年時代では途中の追加投資期間が今よりもさらに延びるため、連続増配株による配当再投資戦略は非常に有効であると考える。
こんばんは、Yukinosuke です。
最近読んだ「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」 (アマゾンアソシエイトリンクへ飛びます)によると、これまでのライフテージ、例えば、「教育」→「仕事」→「引退」という3ステージの人生は、今後大きく変化することが予想されており、特に、長寿化の影響により「仕事」のステージがより長期化・複雑化・多様化すると指摘されています。
また、これまで当たり前だった引退後のステージを公的年金だけで過ごすことは、長寿化の影響に伴いもはや不可能であるということも示唆されています。特に、現在の日本の場合は、これに加えて少子化の問題も重なり、より深刻となっています。
そこで今回は、引退後のステージに際して必要となるいくつかの金額について、確認したいと思います。特に、「配当再投資戦略」は人生100年時代と相性がいいのではないかと個人的に考えているのでそのあたりも考察してみたいと思います。
◆公的年金の支給額
厚労省が公表した平成30年度の月額年金支給額(夫婦二人のモデルケース)によると、老齢基礎年金が64,941円、老齢基礎年金を含んだ年金額で221,277円となっています。(出所)厚生労働省「平成 30 年度の年金額改定についてお知らせします」
※65歳以上人口を15~64歳人口で支える割合は、2016年時点では2.2ですが、2045年時点では1.2まで減少すると予想されています。
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(参考)■人口減少と高齢化にみる日本
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そこで、例えば退職時に退職時年収の半額程度を公的年金と株式配当で賄う場合を考えてみたいと思います。
ここでは簡単な例として、退職時の年収が700万円だったと仮定し、30年後に税引き前で約350万円を公的年金と株式配当金で以下のように賄う場合を考えてみます。
○公的年金:月10万円 → 年120万円
○株式配当金:月約19万円 → 年230万円
なお、税引き前利回りを4%とすると、毎年230万円を得るためには、元本は5750万円必要となり、これを30年間で積立てようと思うと、初期投資500万円、同様に利回り年4%と考えて、59,200円/月(約72万円/年)の積み立て額が必要となります。
それなりの金額ではないでしょうか。
◆米国連続増配株による配当再投資戦略をバックテスト
一方、米国の連続増配株で30年間に渡り配当金再投資をした場合のバックテスト結果は以下のようになります。
ここでは例として、ポートフォリオビジュアライザ-(Portfolio Visualizer)を用いて、アルトリアグループ(MO)、ジョンソン&ジョンソン(JNJ)、マクドナルド(MCD)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)の4つの銘柄からなるポートフォリオに1988年に1万ドル投資したと仮定しています。なお、途中のリバランスはなし、配当再投資による税金等は一切考慮していない仮想的なポートフォリオです。
■ポートフォリオ構成
■トータルリターンの推移(インフレ調整後)※対数スケール
■配当金額の推移
(出所)いずれも Portfolio Visualizer より作成
※2008年配当額の急上昇は、フィリップモリス(PM)のスピンオフに伴う特殊要因
※2008年配当額の急上昇は、フィリップモリス(PM)のスピンオフに伴う特殊要因
バックテスト結果をみると、1988年に投資した1万ドルは、2018年にはインフレ調整後で約38万ドル(1ドル110円で約4250万円)になっていることが分かります。(約38倍)
また、2018年時点の年間配当金額(インカムゲイン)は、約25,00ドル(275万円)となっており、目標の配当金額230万円は一応超えています。
なお、これはあくまで仮想的な状況下でのバックテスト結果なので、今後の30年についても同じようなリターンである保障はもちろんありません。
また、もしかするとインフレや物価の影響等により、30年後には配当で補わなといけない金額は230万円ではとても足りない可能性も十分考えられますので、そのあたりは今回は考慮しておりませんので補足しておきます。
また、もしかするとインフレや物価の影響等により、30年後には配当で補わなといけない金額は230万円ではとても足りない可能性も十分考えられますので、そのあたりは今回は考慮しておりませんので補足しておきます。
(参考)1988年当時の日本の平均年収は約400万円で、為替レートは1ドル約128円でした。
今回のシュミレーションでは、再投資は配当金のみであり、もし追加の投資を定期的に実施(積立)していれば、パフォーマンスはさらに向上していると考えられます。
◆まとめ
今回は、年金支給額とその不足分を米国連続増配株の配当金で賄うべく、米国連続増配株について過去30年に渡り配当再投資した場合のパフォーマンスを確認しました。
なお、バックテストの条件が税金等を考慮しない仮想的なものであることや、この期間が設定したポートフォリオのおそらく黄金期かもしれないことなどを考えると、やや甘めのテスト結果と考えています。
ただ、それでも1988年に投資した1万ドルは2018年には約38万ドル、配当金は年間約25,000ドルとなり、配当の目標額はクリアできたことがわかりました。
また、人生100年時代を考えた場合、途中の追加投資期間が今よりもさらに延びるため、連続増配株による配当再投資戦略は、非常に有効であるのではないかと個人的には思っております。
また、人生100年時代を考えた場合、途中の追加投資期間が今よりもさらに延びるため、連続増配株による配当再投資戦略は、非常に有効であるのではないかと個人的には思っております。
さらに、(金額がある程度読める)インカムゲインが定期的にキャッシュで入ってくることは仕事・職業を変更(転職や起業など)する際や失業時にも、その選択肢の増加につながり、大きなアドバンテージとなると考えます。
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