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こんばんは、Yukinosuke(@yukinosuke35)です。
本記事では、少子化と高齢化について、どちらが人口構造(人口ピラミッド)により影響を与えるのか、簡単ではありますがシュミレーションにて確認したいと思います。
2055年の人口ピラミッドは、今年6月のNHKスペシャル「縮小ニッポンの衝撃」にて、「棺桶型」とショッキングに紹介されたのは、記憶に新しいところですね。
(出所)国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」より
1965年時の人口ピラミッドをみると、高齢者(65才以上)はまだ少なく、これを支える側の生産年齢人口(15-64才)はとても分厚いことがわかります。
話しを元に戻して、2055年の棺桶型の人口ピラミッドをみると、少ない生産年齢人口(15-64才)で多くの高齢者(65才以上)を支える「人口オーナス」と呼ばれる局面であり、これは様々な経済コスト、社会保障が深刻化することでも知られています。
なお、人口シュミレーションにはフランス国立人口研究所(INED) の「Imagine the population of tomorrow」の簡易シュミレーションを使用しているため、国等の公表結果とは異なっていますのでご注意ください。
具体的には、2018年の日本の人口ピラミッド(初期値)からスタートし、①平均寿命と②合計特殊出生率をそれぞれ変えていった場合に、2100年時点の人口ピラミッドがどのような結果(構造)になっているかを確認します。
この場合、人口ピラミッドは棺桶型となり、総人口は約5120万人と2018年からほぼ半減します。
この場合でも人口ピラミッドは棺桶型から変わらず、総人口も約5705万人と2018年からほぼ半減してしまいますが、長寿化の影響により、総人口は上記「A」よりも約600万人ほど大くなっています。
この場合、人口ピラミッドは棺桶型からピラミッド型(人口ボーナス型)となり、総人口も約2.1億人に増加します。
この場合も、人口ピラミッドはピラミッド型、(人口ボーナス型)となり、総人口も約2.2億人に増加しています。
つまり、「少子高齢化」とよく一括りに言われますが、実際には高齢化(長寿化)よりも少子化の影響を人口ピラミッド(人口構成)はもろに受けていることがわかります。
なお、現在の人口を維持するためには、日本の場合は2.07以上必要と言われており、他の国の場合でも2.0以上ないと人口は減少していきます。
先進国では2.0を超えていることろはありませんので、人口減少しないために移民等を受け入れ、これを補っているのが各国の現状となっています。
(出所)内閣府「少子化社会対策白書」より筆者抜粋
その結果、人口ピラミッドの構造は、少子化の影響をよりダイレクトに受け、長寿化の影響はほとんど受けないことがわかりました。
そのため、よくよく考えれば当たり前なのですが、少子化問題を改善しない限りは、人口問題を解決することは難しいと言えます。
なお、今回の単純なシュミレーションでは外国人(移民)などの影響は特に考慮しておらず、より詳細に推計する場合は、移民など国外から入ってくる人口についても、きちんと考える必要があります。
ただ、「少子高齢化」とよく一括りに言われますが、それぞれ本来は全く別物であるという点は、認識しておきたいところでしょうか。
最後に、インデックス投資などその国全体に投資する場合は(特に長期投資)、その国の将来人口の動き(人口動態、出生率等)やこれらの問題に国がどう向き合っているかは、確認してから投資を行うようにしたいところですね。
ポイント
- 将来人口について、①平均寿命、②合計特殊出生率をそれぞれ変えてシュミレーション
- その結果、人口ピラミッドは少子化の影響をよりダイレクトに受け、長寿化の影響はあまり受けない結果に。
- そのため、少子化問題の改善がなければ、人口問題の解決は難しい。
- インデックス投資などその国全体に(長期)投資する場合、その国の将来人口の動き(人口動態、出生率等)は、是非確認してから投資を行いたい。
こんばんは、Yukinosuke(@yukinosuke35)です。
本記事では、少子化と高齢化について、どちらが人口構造(人口ピラミッド)により影響を与えるのか、簡単ではありますがシュミレーションにて確認したいと思います。
◆2055年の日本の人口ピラミッドは「棺桶型」
下図は、国立社会保障・人口問題研究所が、最新の平成27年国勢調査に基づき、推計した2055年(上段)と1965年(実績:下段)の日本の人口ピラミッドです。2055年の人口ピラミッドは、今年6月のNHKスペシャル「縮小ニッポンの衝撃」にて、「棺桶型」とショッキングに紹介されたのは、記憶に新しいところですね。
(出所)国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」より
これはいわゆる人口ボーナス期の特徴でありであり、現在の年金制度が誕生したのもちょうどこの1960年頃でした。
これは余談ですが、このころの日本では、深刻な人口減少にこの先に突入することなど、全く想像できなかったため、人口増加を前提とした現在の年金制度(賦課方式)を構築した経緯があります。
これは余談ですが、このころの日本では、深刻な人口減少にこの先に突入することなど、全く想像できなかったため、人口増加を前提とした現在の年金制度(賦課方式)を構築した経緯があります。
そう考えると、人口減少局面の現在でもこれをそのまま使い続けることはなかなか理解に苦しむのではないかと感じてしまいますね。
話しを元に戻して、2055年の棺桶型の人口ピラミッドをみると、少ない生産年齢人口(15-64才)で多くの高齢者(65才以上)を支える「人口オーナス」と呼ばれる局面であり、これは様々な経済コスト、社会保障が深刻化することでも知られています。
◆問題の本質は「少子化」
では、人口オーナスの背景は何か?ということですが、言葉で説明するより結果を見た方がわかりやすいとと思いますので、簡単なシュミレーションの結果を紹介したいと思います。なお、人口シュミレーションにはフランス国立人口研究所(INED) の「Imagine the population of tomorrow」の簡易シュミレーションを使用しているため、国等の公表結果とは異なっていますのでご注意ください。
具体的には、2018年の日本の人口ピラミッド(初期値)からスタートし、①平均寿命と②合計特殊出生率をそれぞれ変えていった場合に、2100年時点の人口ピラミッドがどのような結果(構造)になっているかを確認します。
■スタート時[2018年、①平均寿命=84.1、②合計特殊出生率=1.47](初期値)
まずは初期値である2018年現在の人口ピラミッドです。①平均寿命は84.1、②合計特殊出生率は1.47、人口は約1.25億人です。
※いずれも国連(UN)値
■パターンA.現状のまま推移[2100年、①平均寿命=84.1、②合計特殊出生率=1.47]
①平均寿命=84.1、②合計特殊出生率=1.47と現状のまま2100年を迎えます。この場合、人口ピラミッドは棺桶型となり、総人口は約5120万人と2018年からほぼ半減します。
■パターンB.現状のまま長寿化[2100年、①平均寿命=90.0、②合計特殊出生率=1.47]
このパターンでは①平均寿命が90.0歳に上昇し、②合計特殊出生率は1.47のまま2100年を迎えます。この場合でも人口ピラミッドは棺桶型から変わらず、総人口も約5705万人と2018年からほぼ半減してしまいますが、長寿化の影響により、総人口は上記「A」よりも約600万人ほど大くなっています。
■パターンC.出生率が改善[2100年、①平均寿命=84.1、②合計特殊出生率=3.00]
①平均寿命は84.1歳で変化なし、②合計特殊出生率はやや極端ですが3.00と大幅に改善し2100年を迎えます。この場合、人口ピラミッドは棺桶型からピラミッド型(人口ボーナス型)となり、総人口も約2.1億人に増加します。
この場合も、人口ピラミッドはピラミッド型、(人口ボーナス型)となり、総人口も約2.2億人に増加しています。
つまり、「少子高齢化」とよく一括りに言われますが、実際には高齢化(長寿化)よりも少子化の影響を人口ピラミッド(人口構成)はもろに受けていることがわかります。
◆先進国の合計特殊出生率
ここで先進国の合計特殊出生率を見ると、フランスが1.92で一番高く、次いで、スウェーデンの1.85、アメリカの1.82と続きます。日本は1.44となっています。なお、現在の人口を維持するためには、日本の場合は2.07以上必要と言われており、他の国の場合でも2.0以上ないと人口は減少していきます。
先進国では2.0を超えていることろはありませんので、人口減少しないために移民等を受け入れ、これを補っているのが各国の現状となっています。
(出所)内閣府「少子化社会対策白書」より筆者抜粋
◆まとめ
本記事では、将来人口ピラミッドのシュミレーションを、①平均寿命、②合計特殊出生率をそれぞれ変えて行いました。その結果、人口ピラミッドの構造は、少子化の影響をよりダイレクトに受け、長寿化の影響はほとんど受けないことがわかりました。
そのため、よくよく考えれば当たり前なのですが、少子化問題を改善しない限りは、人口問題を解決することは難しいと言えます。
なお、今回の単純なシュミレーションでは外国人(移民)などの影響は特に考慮しておらず、より詳細に推計する場合は、移民など国外から入ってくる人口についても、きちんと考える必要があります。
ただ、「少子高齢化」とよく一括りに言われますが、それぞれ本来は全く別物であるという点は、認識しておきたいところでしょうか。
最後に、インデックス投資などその国全体に投資する場合は(特に長期投資)、その国の将来人口の動き(人口動態、出生率等)やこれらの問題に国がどう向き合っているかは、確認してから投資を行うようにしたいところですね。
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