【PEP】銘柄分析|FY19通期|ペプシコは堅実な安定企業|PepsiCo, Incの10年後予想株価・予想期待収益率


ポイント

  • ペプシコ(PEP)の2029年の予想株価は、PER上限では313.4ドル、平均では229.0ドル、下限で179.3
  • 2029年の予想期待収益率は、PER上限では8.7%、平均では5.3%、下限で2.8%
  • 新型コロナの業績に与える影響は、結果的には限定的か。

こんにちは、ゆきのすけ(@yukinosuke35)です。

本記事では、ペプシコの会社概要、財務分析、10年後予想株価、期待収益率などを確認します。

◆会社概要

ペプシコーラ、レイズ、トロピカーナ、ゲータレードなど多様で幅広いブランドポートフォリオ群をグローバルに展開するネスレに次ぐ世界第2位の食品、スナック、飲料会社です。

主な年表は次のとおりです。

■年表

1902年 ペプシ・コーラカンパニー設立
1965年 フリトレーと合併し、社名を「PepsiCo、Inc」に変更
1997年 Tricon Global Restaurants Incとしてレストランの持ち株をスピンオフ(後のYum!。傘下にピザハット、ケンタッキーフライドチキン、タコベルなどあり)
1998年 シーグラム社からトロピカーナを33億ドルで買収
2001年 クエーカー・オーツ・カンパニー[ゲータレードなど]を134億ドルで買収
2009年 北米最大ボトラーのPepsi BottlingGroupとPepsiAmericasを70億ドルで買収
2017年 NYSEからNASDAQへ上場先を変更
2018年 ラモン・ラグアルタがCEOに就任
2018年 ソーダストリーム(家庭向けソーダ機メーカ)を32億ドルで買収
2020年 ロックスターエナジー(エナジードリンクメーカ)を38.5億ドルで買収予定

■ビジネスセグメント

ペプシコの各ビジネスセグメントは次の7つです。(Form 10-K より)

FLNA(フリトレー北米):アメリカおよびカナダの食品、スナック事業
QFNA(クエーカーフード北米):アメリカおよびカナダのシリアル、パスタなどの食品事業
PBNA(ペプシコビバレッジ北米):アメリカおよびカナダの飲料事業
LatAm(ラテンアメリカ):ラテンアメリカの食品、スナック、飲料事業
Europe(ヨーロッパ):ヨーロッパの食品、スナック、飲料事業
AMESA(アフリカ、中東、東南アジア):アフリカ、中東、東南アジアの食品、スナック、飲料事業
APAC(アジア太平洋):アジア太平洋の食品、スナック、飲料事業

総売上高の約6割を占めるフリトレー北米(25%)とペプシコビバレッジ北米(32%)がセグメントの主力となっています。

続いて財務分析です。

◆財務分析

■売上高&売上高成長率


売上高は2015年を底にゆるやかに回復が続いています。

■営業利益&営業利益成長率


営業利益は、緩やかな増加トレンドとなっています。

■純利益&純利益成長率


純利益はやや心もとない推移ですが、直近2019年は73億ドルと70億ドル台にのせています。
なお、2018年は特殊要因(組織再編、減税等)により大きく上振れしています。(FY19 Form 10-K

■粗利益率&営業利益率



2019年の粗利益率、営業利益率は55.1%、15.3%で、ほぼ横ばいで推移しています。

■キャッシュフロー



フリーキャッシュフローの減少トレンドがやや気になりますが、数字の読みやすいビジネスですから、それほど心配はないと考えています。

■株数、株数(2010年=100)


自社株買いにより2010年から2019年で約13%減となっています。
2019年は30億ドル(一株当たり換算で約2.1ドル)、2018年は20億ドル、2017年は20億ドルの自社株買いを実施しています。

■配当、配当性向、配当増加率




2019年の増配率は約5.6%で、配当性向は40~70%で推移しています。

2019年は53億ドル、2018年は49億ドル、2017年は45億ドルを株主配当しています。

■バランスシート 総資産(%)




バランスシート全体を100%としたときの、流動資産(Currnet Assets:ピンク)と固定資産(Non-Current Assets:青)の構成比です。

2019年は流動資産が約2割、固定資産は約8割を占めています。

流動資産は主に売掛金(Accounts receivable)、現金等(Cash & Short-Term Investments)となっています。

固定資産は主に無形資産(Intangible)と有形固定資産(Net PP&E)となっています。
無形資産(Intangible)は過去のM&Aによるのれん代が積み重なっています。

■バランスシート 負債及び株主資本(%)





同様にバランスシート全体を100%としたときの、負債(ピンク)と株主資本(青)の構成比です。

長期負債(Long-Term-Debt)は直近では約37%、短期負債は3.7%となっています。

◆10年後予想株価

■EPS&EPS成長率(実績)




2010年から2019年のEPS成長率を直線で近似しています。
EPS成長幅は0.25ドル/年となりました。

■今後のEPSの推移(予想)



先ほど計算したEPS増加が今後も続くと仮定した場合の予想EPSの推移です。

計算したところ2029年の予想EPSは8.31ドルという結果になりました。

■過去のPER(実績)

過去10年の実績PERの上限、平均、下限は次のとおりでした。

<PER上限> PER=31.8
<PER平均> PER=21.6
<PER下限> PER=15.6

■予想株価



予想EPSに実績PER(上限、平均、下限値)をかけて計算した予想株価の推移です。

2029年の予想株価は、PER上限では313.4ドル、平均では229.0ドル、下限で179.3ドルとなりました。

■予想期待収益率



先ほど計算した予想株価をもとに、2019年12月末時点の株価(136.67ドル)を基準とした予想期待収益率を計算(CAGR)しています。

2029年の予想期待収益率は、PER上限では8.7%、平均では5.3%、下限で2.8%となりました。

■10年後の予想EPS、予想株価、期待収益率


これまで出てきた数字をまとめています。

2029年は、予想EPSが8.31ドル、予想株価は、PER上限では313.4ドル、平均では229.0ドル、下限で179.3ドルとなりました。

また、予想期待収益率は、PER上限では8.7%、平均では5.3%、下限で2.8%となりました。

なお、現在の株価は141.73ドル(2020年10月17日)、配当利回りは2.76%です。
株価は2010年から約3倍となっております。





■ガイダンス

FY20Q3の決算リリースによれば、FY20通期(時点)のオーガニック売上高成長率は+4%、コアEPSは5.50ドル、営業キャッシュフローは100億ドル、フリーキャッシュフローは60億ドル、資本支出は40億ドル、配当は55億ドル、自社株買いは20億ドル、実効税率は21%を見込んでいます。

◆まとめ

本記事ではペプシコについて、会社概要、財務分析、10年後予想株価、期待収益率などを確認しました。

数字はいずれも新型コロナの影響前ですが、直近のガイダンスによれば、当初は落ち込みが心配されたものの力強く回復しており、結果的にはFY20通期もそれほど心配するような数字ではなさそうです。(ちなみに、FY19のオーガニック成長率は+4%)

ここのところマーケットをけん引しているハイテク銘柄にはかなり割高に見えるものも散見されますが、ペプシコはまだ比較的リーズナブルに見えるのではないかと考えております。

また、ペプシコはハイテクのような派手さのない地味な銘柄(笑)ですが、グローバルに分散されたバランスのとれた手堅い経営を行っており、個人的には気に入っています。

この先、シャープに上値を切り上げることはないかもしれませんが、マーケットが調整した際の下値も限られる銘柄ではないでしょうか。

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