ポイント
- ビザ(NYSE:V)の業績はコロナ以降力強い回復が続いており、現在も鈍化の兆しは見られない。
- QR決済をはじめとするフィンテック企業による影響は感じられない。
- 現在の株価($280)は、割安とは言えないものの、割高でもなくフェアバリューか。
- 2033年の予想株価は、PER上限では1427.4ドル、平均では1101.3ドル、下限で960.6ドル
- 2033年の予想期待収益率は、PER上限では20.0%、平均では17.0%、下限で15.4%
こんにちは、ゆきのすけ(@yukinosuke35)です。
本記事では、ビザ(会計年度:2022.10~2023.9)の財務分析、10年後予想株価、期待収益率などを確認します。
- ポイント
- ◆カード会社別情報(Payments Volume, Total Transactions ,Cards)
- ◆財務分析
- ■売上高&売上高成長率(Revenue)
- ■営業利益&営業利益成長率(Operating Income)
- ■純利益&純利益成長率(Net Income)
- ■粗利益率&営業利益率(Gross Margin & Operating Margin)
- ■キャッシュフロー(Cash Flow)
- ■株数、株数(Shares)
- ■配当、配当性向、配当成長率(Dividends /Dividend Payout Ratio/ DPS Growth Rate)
- ■1株当たりフリーキャッシュフロー(FCFPS)
- ■R&D
- ■バランスシート 総資産(%)/ Total Assets
- ■バランスシート 負債及び株主資本(%)/ Total Liabilities And Equity
- ◆10年後予想株価(10-year forecast Price Targets)
- 関連記事
競合他社との比較は次のとおり。
◆カード会社別情報(Payments Volume, Total Transactions ,Cards)
※データソースは10-Kからです。
・2022年のPayments Volume を会社別に見るとビザ(57%)、マスターカード(32%)、アメリカンエクスプレス(8%)、JCB(2%)、ダイナース(1%)の順。( )は構成比
・この10年、各社の構成比に大きな変動はなし。
・2022年(2013年比)はビザがトップの伸びで2.7倍、次いでマスターカードの2.2倍、アメリカンエクスプレス1.6倍、JCB1.7倍、ダイナース1.6倍と続く。
・2022年はJCB以外は前年より増加
・これを見る限りではQR決済、キャッシュレスなどのフィンテック企業による影響は感じられない。
・2022年のTotal Transactionsを会社別に見るとビザ(61%)、マスターカード(35%)、アメリカンエクスプレス(2%)、JCB(1%),ダイナース(1%)の順。
・この10年、各社の構成比に大きな変動はなし。
・2022年(2013年比)はJCBがトップの伸びで3.1倍、次いでビザの2.9倍、マスターカード2.8倍、アメリカンエクスプレス1.6倍、ダイナース1.7倍と続く。
・JCB、ビザ、マスターカードの直線的な伸びに比べ、アメリカンエクスプレス、ダイナースは低成長。
・2022年のカード数を会社別に見るとビザ(58%)、マスターカード(38%)、アメリカンエクスプレス(2%)、JCB(2%),ダイナース(1%)の順。
・この10年、各社の構成比に大きな変動はなし。
・2022年(2013年比)はマスターカードがトップの伸びで2.1倍、次いでビザの1.8倍、JCB1.8倍、アメリカンエクスプレス1.2倍、ダイナース1.1倍と続く。
・ビザ、マスターカード、ビザ、JCBは順調に伸び、アメリカンエクスプレス、ダイナースは低成長。
◆財務分析
- ソースは2020年まではモーニングスターUS、それ以降はSeeking Alpha、Form10-K などからです。
- 予想利益の数値等は税引き前の理論値です。
- 将来予測の計算方法は「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」(日本経済新聞出版社)を参考にしています。詳細は「将来予想株価の計算方法に関するメモ」にまとめています。
- 各種チャートは筆者作成です。
- チャート横軸の西暦は会計年度(FY)です。
■売上高&売上高成長率(Revenue)
■営業利益&営業利益成長率(Operating Income)
■純利益&純利益成長率(Net Income)
■粗利益率&営業利益率(Gross Margin & Operating Margin)
■キャッシュフロー(Cash Flow)
■株数、株数(Shares)
■配当、配当性向、配当成長率(Dividends /Dividend Payout Ratio/ DPS Growth Rate)
■1株当たりフリーキャッシュフロー(FCFPS)
■R&D
■バランスシート 総資産(%)/ Total Assets
バランスシート全体を100%としたときの、流動資産(Currnet Assets:ピンク)と固定資産(Non-Current Assets:青)の構成比です。
■バランスシート 負債及び株主資本(%)/ Total Liabilities And Equity
同様にバランスシート全体を100%としたときの、負債(ピンク)と株主資本(青)の構成比です。
◆10年後予想株価(10-year forecast Price Targets)
■実績EPS&EPS成長率(EPS Actual)
2013年から2022年のEPSを指数で近似したところ、EPS成長は16.10%となりました。
■今後のEPSの推移(EPS Estimates)
先ほど計算したEPS成長が今後も続くと仮定した場合の予想EPSの推移です。
計算したところ2033年の予想EPSは31.02ドルという結果になりました。
■過去の実績PER(10y-P/E)
過去10年の実績PERの上限、平均、下限は次のとおりです。
<P/E上限(10-y Max)> P/E=44.7
<P/E平均(10-y Mean)> P/E=34.2
<P/E下限(10-y Min)> P/E=29.7
■予想株価(Price Target)
予想EPSに実績PER(上限、平均、下限値)をかけて計算した予想株価帯の推移です。
2033年の予想株価は、PER上限では1427.4ドル、平均では1101.3ドル、下限で960.6ドルとなりました。
■予想期待収益率(Expected Future Total Return)
先ほど計算した予想株価をもとに、2023年09月末時点の株価(230.01ドル)を基準とした予想期待収益率を計算(CAGR)しています。
2033年の予想期待収益率は、PER上限では20.0%、平均では17.0%、下限で15.4%となりました。
予想EPS、予想株価、期待収益率のまとめです。
■10年後の予想EPS、予想株価、期待収益率
■株価チャート(→stockcharts.com)
ご一読くださりありがとうございました。