2019年消費増税|前回増税よりも家計へのダメージが少ないのは本当か?

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ポイント

  • 来年10月の消費増税は、様々な負担軽減パッケージが同時に行われるため、家計へのダメージは限定的。
  • そのため、景気の腰折れや消費の冷え込みは、アベノミクスによる景気回復も引き続き想定されるので、それほど目立たないと考えられる。
  • 特に教育無償化により保育料が無料になる世帯(3~5歳児)にはかなりの負担軽減になる。
  • 負担軽減により浮いたお金は、iDeCoやつみたてNISAなどの積立投資に振り向けたいところ。

こんばんは、Yukinosuke です。

今回は、来年2019年10月に消費税が8%から10%に増税されることに伴う家計への影響を日銀がシュミレーションしているので、その内容を確認したいと思います。

◆家計全体では2.2兆円が新たな負担増に

日銀が4月に公表したレポートによれば、2019年10月の増税により、家計全体で2.2兆円が新たに負担増になると試算しています。

■消費増税時の家計負担額

(出所)日本銀行「わが国の経済・物価情勢と金融政策」より

その内訳をみると、消費税率引き上げにより+5.6兆円、税制改正で+0.2兆円で合計5.8兆円の負担増です。

一方、負担減は、軽減税率で-1.0兆円、支援給付金等で-0.5兆円、教育無償化で-1.4兆円、年金額改定で-0.6兆円で合計-3.5兆円となっています。
負担増から負担減を差し引くと、ネットで約2.2兆円の負担増となることがわかります。

ただ、この2.2兆円は日本全体の家計への負担増の総額なので、どの程度のインパクトが各家庭に及ぶのか、正直なところあまりピンときません。

そこで少々乱暴ですが、これを2018年1月時点の日本全体の世帯数(約5,800万世帯)で割ってみると、1世帯当たり約38,000円の負担増であると機械的に計算できます。

このことは単純には国全体で1兆円の家計への負担増があると、世帯あたりでは約17,300円の負担増となることを意味します。

なお、実際には上の38,000円という単純平均額を中心に、世帯構成や年齢構成によりさらに負担増、或いは負担減になると考えられます。

例えば、子どもがいれば今回の教育無償化の恩恵をフルに受けることが出来ますが、いなければ受けることはできません。
年金についても、受給資格があれば恩恵はありますが、なければ関係ないということです。

教育無償化についての詳細はまだわかりませんが、もし無償化の対象となる子どもがいる世帯では、38,000円を大きく超える負担軽減になることは間違いありません。
※3〜5歳児の保育料が2019年10月以降は原則無料になる予定

先ほど計算したのと同じ方法で、前回2014年の増税の場合を計算してみると、ネットの増税額が8兆円、2014年時点の世帯数は約5,600万世帯(2014年1月時点)なので、計算すると1世帯当たり約14.3万円で、今回の増税分の約3.8倍となりました。

このようにみると、前回2014年の増税と比べて、今回2019年の増税の家計への負担は、教育無償化や軽減税率などの軽減措置があるおかげでかなり限定的となっています。

ただ、逆に言えば、前回2014年、前々回1997年の増税の際には、これらの軽減措置がなかった影響により、景気の腰折れ、消費の冷え込みが大きく、そのため今回は手厚い軽減措置を揃えたと考えるのが正解かもしれません。

◆まとめ

来年10月の消費増税は、前回2014年や前々回1997年の増税の際の反省も踏まえ、様々な軽減パッケージを揃えたため、家計へのダメージが少なくなる見込みであることがわかりました。

そのため、景気の腰折れ懸念や消費の冷え込みは、アベノミクスによる景気回復が引き続き想定されるので、それほど目立たないと考えられます。

特に、幼児教育無償化によるインパクトは非常に大きく、保育料が無料になる世帯にとっては、今回増税分以上の負担軽減になるはずです。

負担軽減により浮いたお金は、iDeCoやつみたてNISA(もちろん、通常NISAも)を活用し、米国(VTI、楽天VTIなど)や世界全体(VT、楽天VTなど)に積立投資し、何十年か後に子どもたちに還元したいところですね。

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