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こんばんは、Yukinosuke です。
昨年の超強気相場が幻だったかのように、ここのところマーケットは非常に不安定な動きとなっております。
また、リセッション(景気後退)の前兆となる失業率などの経済指標も、そろそろ相場のピーク、或いは、転換点を示すような気配となっています。
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■リセッションのシグナル|なぜ長短金利差と失業率に注目が集まるのか?
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そこで、今回はもし相場のピーク時に投資した場合、トータル・リターンはどのような推移となるかをリーマンショック時のデータを使い検証してみたいと思います。
結果としては、2007年~2018年現在までの間でみると、「長期的には株式が債券をアウトパフォームする」という格言どおり、VTIのリターンが圧倒的であることが分かりました。
ただ一方で、2013年10月までの6年間は、BNDの方がVTIをアウトパフォームしていることもわかりました。
なお、VTIはその間、リーマンショックの直撃を受けたことを考えると、BNDの存在意義やポートフォリオへの一定割合の組み込みが推奨される理由も改めて分かったような気がします。
2018年6月現在、政策金利は利上げ局面の途中であり、まだしばらくは利上げが継続しそうなことを考えると、債券EFTであるBNDへの積極的な投資には、まだあまり魅了は感じられません。
ただ、相場の未来は誰にもわかりませんから、BNDの存在価値が再認識されるタイミングが、もしかするとそう遠くないうちに訪れる可能性はあるかもしれません。
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ポイント
- リーマンショック前のVTIのピークである2007年10月にVTIとBNDにそれそれ投資した場合、2018年現在までのトータル・リターンは、VTIが圧倒的であった。
- ただ一方で、2013年10月までをみると、BNDがVTIをアウトパフォームしていたことも確認した。
- 債券EFTであるBNDは、利上げ局面ではあまりおススメできないが、もしかするともうしばらく後には、その価値が再認識されるタイミングが来るかもしれない。
こんばんは、Yukinosuke です。
昨年の超強気相場が幻だったかのように、ここのところマーケットは非常に不安定な動きとなっております。
また、リセッション(景気後退)の前兆となる失業率などの経済指標も、そろそろ相場のピーク、或いは、転換点を示すような気配となっています。
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■リセッションのシグナル|なぜ長短金利差と失業率に注目が集まるのか?
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そこで、今回はもし相場のピーク時に投資した場合、トータル・リターンはどのような推移となるかをリーマンショック時のデータを使い検証してみたいと思います。
具体的には、米国株ETFのバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(ティッカーシンボル:VTI)と米国債券ETFのバンガード・米国トータル債券市場ETF(ティッカーシンボル:BND)について、
ETFreplay.com のバックテストツールを使って、トータル・リターンがどのように推移するかを比較します。
ETFreplay.com のバックテストツールを使って、トータル・リターンがどのように推移するかを比較します。
(参考)
・バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(バンガード・インベストメンツ・ジャパン)
・バンガード・米国トータル債券市場ETF(バンガード・インベストメンツ・ジャパン)
◆2007年10月に投資した場合
VTIのチャートをみると、概ね2007年10月がリーマンショック前のVTIのピークと考えられます。
まだ、08年10月や09年3月のような急落はみられませんが、下落トレンドの始まりはみてとれますので、投資タイミングは2007年10月に設定します。
■バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(週足)-2006年1月~2011年1月-
(出所)StockCharts.com
その他、参考までにBNDと政策金利(FFレート)のチャートもそれぞれ確認しておきます。
■バンガード・米国トータル債券市場ETF(週足)-2006年1月~2011年1月-
(出所)StockCharts.com■フェデラル・ファンド・レート(Federal Funds Rate)-2003年から
(出所)FRED | St. Louis Fed
BNDは債券ETFであるため、政策金利が下落する場面では価格は上昇し、逆に金利が上昇する場面では価格は下落するという性質があります。
2007年10月時点のFFレートを見ると、金利は下落局面なので、価格は上昇トレンドであり、BNDには有利な状況であることがわかります。
◆バックテストの結果
トータル・リターンのバックテスト結果です。2007年10月=100とし、緑色がVTI、青色がBNDです。
■トータル・リターン(2007年10月=100) 緑:VTI 青:BND
(出所)ETFreplay.com ※配当含む。税金等は考慮しない。
2007年10月にVTIとBNDにそれぞれ投資した場合、2018年6月時点のトータル・リターンはVTIが約230、BNDが約148となりました。
これは、「長期的には株式が債券をアウトパフォームする」というよく知られた事実のとおりの結果となっています。
ただ、ここで注目したいのは、VTIのパフォーマンスが2013年10月頃まではBNDのパフォーマンスをアンダーパフォームしていることです。
投資時点は2007年10月ですから、13年10月までの約6年間はBNDのパフォーマンスの方がVTIよりもよかったということになります。
なお、この6年間は、VTIにはリーマンショックという未曽有の金融危機があり、最大ドローダウンが-55%程度もあったことを考えると、VTI所有者にはかなり辛い6年間だったことがわかります。(BNDも影響はありましたがVTIよりは軽微でした。)
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■暴落の歴史|マーケットの暴落はごく普通にあり得ること。では、個人投資家はどのように対処すべきか?
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■暴落の歴史|マーケットの暴落はごく普通にあり得ること。では、個人投資家はどのように対処すべきか?
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リーマンショックからの立ち直りが世界で一番早い米国マーケットであってしても、6年という期間がVTIに必要である点には、個人的に少々驚きです。
まあ、この期間を長いとみるか短いとみるか、投資スタイルにもよりますが、意見の分かれるところではないでしょうか。
◆まとめ
今回は、リーマンショック前のVTIのピークである2007年10月にVTIとBNDにそれそれ投資した場合、トータル・リターンがどのようになるかを確認しました。結果としては、2007年~2018年現在までの間でみると、「長期的には株式が債券をアウトパフォームする」という格言どおり、VTIのリターンが圧倒的であることが分かりました。
ただ一方で、2013年10月までの6年間は、BNDの方がVTIをアウトパフォームしていることもわかりました。
なお、VTIはその間、リーマンショックの直撃を受けたことを考えると、BNDの存在意義やポートフォリオへの一定割合の組み込みが推奨される理由も改めて分かったような気がします。
2018年6月現在、政策金利は利上げ局面の途中であり、まだしばらくは利上げが継続しそうなことを考えると、債券EFTであるBNDへの積極的な投資には、まだあまり魅了は感じられません。
ただ、相場の未来は誰にもわかりませんから、BNDの存在価値が再認識されるタイミングが、もしかするとそう遠くないうちに訪れる可能性はあるかもしれません。
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